いわき市議会 > 2006-09-13 >
09月13日-04号

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  1. いわき市議会 2006-09-13
    09月13日-04号


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    平成18年  9月 定例会           平成18年9月13日(水曜日)議事日程 第4号 平成18年9月13日(水曜日)午前10時開議 日程第1 議案第48号(追加提案理由説明) 日程第2 市政一般に対する質問        -------------------本日の会議に付した事件         〔議事日程第4号記載事件のとおり〕        -------------------出席議員(40名)     1番  蛭田源治君      2番  菅波 健君     3番  佐藤和美君      4番  森田ミエ子君     5番  松本正美君      6番  鈴木 智君     7番  小野邦弘君      8番  小野 茂君     9番  伊藤浩之君      10番  渡辺博之君     11番  阿部秀文君      12番  佐藤和良君     13番  木田孝司君      14番  酒井光一郎君     15番  岩井孝治君      16番  根本 茂君     17番  大平洋夫君      18番  磯上佐太彦君     19番  古市三久君      20番  塩田美枝子君     21番  溝口民子君      22番  高橋明子君     23番  大間守光君      24番  佐久間 均君     25番  蛭田 克君      26番  遊佐勝美君     27番  矢吹貢一君      28番  阿部 廣君     29番  諸橋義隆君      30番  若松昭雄君     31番  樫村 弘君      32番  安部泰男君     33番  猪狩勝省君      34番  野地登久雄君     35番  鈴木利之君      36番  吉田正登君     37番  藁谷利男君      38番  石井敏郎君     39番  遠藤重政君      40番  永山哲朗君欠席議員(なし)        -------------------説明のため出席した者 市長         櫛田一男君   助役         村田文雄君 助役         高津達男君   収入役        飯本丈夫君 教育委員会委員長   馬目順一君   教育長        砂子田敦博君 代表監査委員     駒木根登志男君 選挙管理委員会委員長 草野一男君 農業委員会会長    草野弘嗣君   総務部長       猪狩正利君 企画調整部長     鈴木英司君   財政部長       陸川克己君 市民生活部長     荒川喜一君   市立病院部長     鈴木正一君 環境部長       上遠野洋一君  保健福祉部長     仲野治郎君 農林水産部長     高木直昭君   商工観光部長     若松勇四郎君 土木部長       高島信夫君   都市建設部長     佐藤 廣君 下水道部長      佐々木 仁君  消防長        木村 清君 教育部長       山田 満君   水道事業管理者職務代理者水道局長                               藍原克美君 監査委員事務局長   渡邊義典君   農業委員会事務局長  坂本公男君 参事(兼)総務課長   新妻秀次君   秘書課長       増子裕昭君        -------------------事務局職員出席者 事務局長       上遠野直人君  次長(兼)総務課長   千葉和夫君 参事(兼)議事調査課長 箱崎紀雄君   議事調査課主幹(兼)課長補佐                               太 清光君 議事係長       遠藤義道君   調査係長       齊藤 学君 主査         千葉恭子君   主査         加藤高明君 主査         早水孝太郎君  事務主任       矢内邦彦君           ------------            午前10時00分 開議 ○副議長(鈴木利之君) これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第4号をもって進めます。        ------------------- △日程第1 議案第48号(提案理由説明) ○副議長(鈴木利之君) 日程第1、市長より追加提出のありました議案第48号を議題といたします。        -------------------提案理由説明市長提案理由説明 ○副議長(鈴木利之君) 提出者より提案理由の説明を求めます。櫛田市長。 ◎市長(櫛田一男君) 〔登壇〕皆さん、おはようございます。 このたび、秋篠宮家のお子様に悠仁という名前が贈られました。まことに喜ばしい限りで、心からお喜びを申し上げます。 ただいま上程されました議案第48号いわき市病院事業の設置等に関する条例の改正について、提案理由の説明を申し上げます。 本案は、さきの国会において、健康保険法が改正され、本年10月1日から、医療保険適用の療養病床に入院する70歳以上の高齢者について、介護保険との負担の均衡を図るため、食費及び居住費が全額負担となることに伴い、去る9月8日付で、市立病院事業における使用料等の額の根拠として、本条例で引用している厚生労働省告示が改正されたことから、当該告示の題名を改めようとするものであります。 以上、追加提案いたしました議案について説明いたしましたが、慎重御審議の上、速やかなる議決を賜りますようお願い申し上げ、私の提案理由の説明といたします。 ○副議長(鈴木利之君) 以上で、提案理由の説明は終了いたしました。 なお、議案に対する質疑の通告は、午後4時30分までといたします。        ------------------- △日程第2 市政一般に対する質問 △阿部秀文君質問 ○副議長(鈴木利之君) 日程第2、市政一般に対する質問を行います。11番阿部秀文君。          〔11番阿部秀文君第二演壇に登壇〕 ◆11番(阿部秀文君) (拍手)11番秀進会の阿部秀文です。通告順に従いまして、ただいまより一般質問をさせていただきます。 質問の大きな1点目は、地域の防災力を高めるためについてであります。 9月1日は防災の日でありました。皆さん御存じのように、今から83年前の大正12年9月1日、ちょうどこの日に関東大震災が発生したわけであります。当時の記録をたどりますと、午前11時58分32秒、神奈川県西部から相模湾、さらには、千葉県房総半島の先端にかけての地下で断層が動き始め、東京の中心部が揺れ始めたのはそれから12秒後、11時58分44秒ごろ、マグニチュード7.9の大地震でありました。ちょうど昼食時の火の使用と重なったことから、倒れた家屋から各地で出火し、東京と横浜が大火災に見舞われました。火が完全に鎮火したのは9月3日の午前10時ごろであったと言われております。 大火災の拡大は当日の気象条件にも原因があったとのことで、能登半島近くに弱い台風があり、地震発生時には関東地方でも相当の強風が吹いていたとのことであります。死因の推定では、火災が原因で亡くなられた方は約9万2,000名、家屋の倒壊によって亡くなられた方は約1万1,000名に達するなど、全体では10万5,385名のとうとい命が犠牲になってしまいました。地域別で見ますと、当時の東京府の被害が最も大きく7万名を超え、次に神奈川県で約3万2,800名、千葉県でも1,346名の方々が犠牲になったと記してあります。 防災の日は、昭和35年、災害の発生を未然に防止し、被害を最小限に食いとめるにはどうすればいいのか、皆で考えるために制定されたものであります。なお、この9月1日は、太陽暦では立春から数えて210日に当たり、我が国では台風来襲の厄日とされてきました。そこで、この日を挟んで、8月30日から9月5日までを防災週間と定めております。この週間では、地震や台風など、自然災害について認識を深め、惨事を繰り返さないための訓練などが行われてきておりまして、ことしも9月4日に県の総合防災訓練が、小名浜地区を会場として実施されたのは記憶に新しいところであります。 一方で、我が国の地形は、北東から南西に細長く横たわっている4つの主要な島々より形成されております。これらの島々には高さ2,000メートルから3,000メートルに及ぶ山脈が縦走しており、このため、河川は一般に急勾配で流路延長が短く、流域の面積も小さいという地形的特性を有しております。また、毎年6月初旬から7月中旬にかけまして、いわゆる梅雨前線が日本列島に停滞し、しばしば激しい豪雨を発生させております。さらに、8月から9月にかけて熱帯性低気圧が台風となって来襲し、広い地域にわたり多量の降雨と沿岸域における高潮をもたらしてきました。このような地形的特性と気象的特性との相乗した作用により、我が国では洪水や高潮による災害が多発している傾向にあると思います。 本市におきましても、市域の約7割を占める山地、森林が海岸線近くまでに迫り、河川の勾配も急なため、近年の都市化の進展に伴う遊水・保水機能の低下とも相まって、土砂崩れや水害など自然災害が発生しやすい地勢的特性を持つ一方、約60キロメートルにも及ぶ海岸線を有しているため、高潮や海岸侵食の危険性もあります。そこで、これらの自然災害に対し、さまざまな観点から的確に対応していく必要があります。自然災害の中でも、突然襲ってくる地震とは異なり、水害はその発生までにある程度の時間があり、一定の備え、対策を講じておくことができます。ふだんから水害についての正しい知識を得て、事前対策を万全にしておくことが重要であると思うわけであります。 そこで、地域の防災力を高める観点から、特に水害を中心に、以下質問させていただきます。 まず、大きな1点目は、6月豪雨の状況を振り返ってであります。 長雨の影響もありまして、ことしの梅雨明けは本市では8月2日でありました。長かった梅雨の期間でもあり、雨が多かったと記憶しているわけです。そうした中でも、本市にとりまして6月15日は、梅雨前線が近づいた影響から、午後2時半ごろに降り始め、16日正午までに小名浜測候所では総雨量113ミリを記録したそうであります。特に16日、豪雨によって市内では多数の被害が発生し、市民生活に大きな影響を与えました。 そこで、改めて当時の状況を振り返っていきたいと思いますが、まず質問の1点目は、当時の状況を振り返って、浜通り南部の気象警報はどのような経緯で発令されていたかお伺いします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 福島地方気象台によりますと、6月15日午後2時半ごろから降り始めた雨により、同日の午後9時40分に大雨・洪水注意報が発表され、さらに継続した降雨により、翌日の16日午後1時24分に大雨・洪水警報が発表されたものであります。 ◆11番(阿部秀文君) 次に、当時の雨量の状況についてですが、地区ごとにはどうであったかお伺いしたいと思います。 ◎土木部長(高島信夫君) 6月15日の降り始めから6月16日までの総雨量は、久之浜の195ミリを最大に、平が189ミリ、常磐が185.5ミリ、内郷、勿来が179ミリ、四倉が165ミリ、小川が154ミリ、小名浜が148ミリ、三和が134ミリ、遠野が132ミリ、田人が113.5ミリ、川前が106.5ミリとなっております。 ◆11番(阿部秀文君) 行政として、それをどのように把握をされてきたかお伺いしたいと思います。 ◎土木部長(高島信夫君) 各地区の雨量につきましては、小名浜と遠野が小名浜測候所のデータを使っているほかは、各支所等に設置してある雨量計のデータを職員が読み取り、水防本部において集計を行っているものであります。 ◆11番(阿部秀文君) 水防本部などの設置につきましては、どのようなときに設置するのかお伺いします。 ◎土木部長(高島信夫君) 水防本部等の設置につきましては、いわき市水防計画に基づき、洪水等による水防活動の必要があると認められたときに、その危険が除去するまでの間設置し、水防事務を処理するものとしております。 具体的には、大雨や洪水、高潮などの警報等の通報を受け、現在の降雨状況と河川の水位及び波の高さなどを把握し、今後の降雨の予測データなどをもとに総合的に判断し、設置しているところであります。
    ◆11番(阿部秀文君) 今回の豪雨によりまして、地区水防部が設置をされた経緯についてお伺いします。 ◎土木部長(高島信夫君) 6月豪雨時の各地区水防部の設置経緯につきましては、11時に四倉・久之浜大久地区水防部が設置され、11時20分には小名浜地区水防部、11時45分には勿来・田人地区水防部、12時には水防本部及び平地区水防部、13時には内郷・好間・三和地区水防部と常磐・遠野地区水防部、それに小川・川前地区水防部が設置されたところであります。 ◆11番(阿部秀文君) 地区水防部の設置が、ただいまの説明では、地区により時間にして最大で2時間の差が発生しているわけですが、どのようにとらえているのかお伺いいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) 今回の6月豪雨の場合、地区水防部等の設置の目安となる大雨・洪水警報は発表されておりませんでしたが、各地区における河川の水位の上昇状況を見きわめ、水害発生のおそれがあると判断した地区から、随時、地区水防部の設置を行ったため、設置時間に差が出たものであります。これにつきましては、設置を判断する際の情報となる河川の水位や降雨量の情報を、各地区水防部が有効かつ適切に活用できたものと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、この地区水防部の設置を決定するための判断材料について、もう一度お伺いします。 ◎土木部長(高島信夫君) 地区水防部等の設置については、6月15日の午後2時半ごろに降り出した雨が、16日朝から強くなり、地区によっては、16日の午前中に県が管理する河川の水位が警戒水位を超えたことから、各地区水防部においては、現在の河川水位状況と今後予想される雨量を想定し、水防活動の必要があると認め、地区水防部を設置したものであります。 ◆11番(阿部秀文君) 次に、豪雨による被害の状況についてですが、まず1点目は、被害の全体集計では、市民からの通報も含め何件発生したのかお伺いいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) 6月23日の最終集計における被害件数につきましては、道路などの公共土木施設被害が469件、がけ崩れ被害等が76件、家屋への被害が101件であります。 ◆11番(阿部秀文君) 2点目ですが、床下・床上浸水など、家屋被害の戸数はどうであったかお伺いします。 ◎土木部長(高島信夫君) 家屋への被害101件のうち、床上浸水が8棟、床下浸水が90棟、家屋の一部破損が3棟であります。 ◆11番(阿部秀文君) 3点目は道路関係についてですが、通行どめの箇所数についてお伺いをいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) 路面冠水やのり面崩落等による道路の全面通行どめの箇所数につきましては、県管理道路で13路線14カ所、市道で32路線33カ所の合計45路線47カ所であります。 ◆11番(阿部秀文君) 市民の貴重な交通手段となっております道路関係につきましては、大きなつめ跡を残したとも思いますが、これまでの復旧の状況についてお伺いをしたいと思います。 ◎土木部長(高島信夫君) 路肩崩落やのり面崩落等による被災を受けた道路は、県管理道路16カ所、市道43カ所、合わせて59カ所であります。そのうち、県管理道路につきましては全箇所で応急工事を実施し通行の確保を図ったところであり、市道につきましては小規模被災の35カ所の本復旧を終えております。 ◆11番(阿部秀文君) 今後の見通しについて伺いたいと思います。 ◎土木部長(高島信夫君) 本復旧が必要な残り24カ所の今後の見通しについてでありますが、公共土木施設災害復旧事業等により、年度内の完成を予定しております。 ◆11番(阿部秀文君) 年度内に復旧ということで、市民生活には不可欠な道路であります。早期に安全通行が確保できますよう、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、河川の状況についてですが、警戒水位を超えた河川数は幾つあったのかお伺いをしたいと思います。 ◎土木部長(高島信夫君) 本市において水防法に基づく警戒水位が設定されている河川は、県管理の2級河川10河川であります。そのうち、6月豪雨において警戒水位を超えた河川は、新川、滑津川、大久川、仁井田川、釜戸川、夏井川の6河川であります。 ◆11番(阿部秀文君) 今回の豪雨により、市民の中には、自分の周りでも被害が発生するのではないかという大きな不安が広がりました。しかしながら、厳しい天候の中、そうした中にありましても自分の住んでいるまちは自分たちが守るんだという強い気概のもと、被害を最小限に食いとめるべく、仕事中にもかかわらず出動された消防団の活動には頭が下がりますし、大変大きな意味があると思います。 そこで、次は消防団の活動についてです。消防団の水防活動の状況について、出動人員は何人だったのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 出動人員は、688人でありました。 ◆11番(阿部秀文君) 主な活動状況についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 主な活動は、増水河川の巡視警戒、決壊のおそれのある堤防への土のう積み、さらには、動力ポンプを使用しての床下浸水家屋の排水作業などであります。 ◆11番(阿部秀文君) 本市では、最近大きな被害を伴うような災害には遭っていないかと思います。しかしながら、行政としても、ふだんから緊急物資の確保や災害に対する訓練などをされて備えを行ってきていると思います。 そこで質問ですが、行政の対応について、今回の6月豪雨により各所で被害が発生しましたが、それらの対策を進めていく上での課題はなかったのかどうかお伺いをいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) 今回の6月豪雨の対応につきましては、気象庁からの大雨・洪水警報が発表になる前に、河川の水位が急激に上昇するといった状況の中、現在の河川水位の上昇状況と今後予想される雨量を想定し、適切な対応を行うことができたと考えており、各地区水防部の設置等に特に課題はなかったものと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 特に課題はなかったということであります。本市では、幸いにして最近大きな被害に遭っていないと思いますけれども、常に過去の事例から学んでいくことは非常に大切なことであると思います。日本全体を見ますと、過去に例のないような自然災害に見舞われており、漠然と感じていた気象の変化を、強烈な雨の降り方や過去最高の上陸回数となった台風の襲来を経験するに及んで、今や現実のものと受けとめざるを得ない感すら抱かせていると思います。特に、最近の傾向としてピンポイントの局所的な豪雨が多発しております。最近までの10年間ごとの平均でも、局所的な豪雨が多発傾向にあると受けとめているところです。流域面積の比較的小さな中小河川は、短時間の集中豪雨によって流量が急増、はんらんしてしまいます。一方で、水位が急激に上昇するため、洪水の予測は困難になってきております。そのことにより、住民の避難行動などの対応のおくれによる被害拡大が懸念されてきているのではないかとも受けとめているところです。 そこで、次に、水害の事例について伺ってまいりたいと思います。本市を襲いました過去の大きな水害について、市の災害対策本部が設置された最も新しい事例についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 最も新しい事例につきましては、平成5年11月13日の夜半から翌14日にかけて、発達した低気圧が通過しまして、田人地区で329ミリ、市街地においては200ミリを超える降雨により甚大な水害が発生したものであり、11月14日に市の災害対策本部を設置しております。 ◆11番(阿部秀文君) 当時の被害は、どのようなものであったお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 被害は市内全域にわたり、重軽傷者が7名、家屋の全壊が5棟、半壊が7棟、床上浸水が842棟、床下浸水が1,319棟、道路被害が302カ所、河川被害が206カ所などでありました。 ◆11番(阿部秀文君) 相当大きな被害であったと思います。当時の被害額についても、お示しをいただきたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 被害総額は、39億6,685万円となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 当時は大変な被害で、被災された市民も、そして行政も対応に苦労されたことと思います。本市にとりましては、平成5年ということで、もう既に10年以上にもわたりまして、市の災害対策本部を設置しなければならないような大きな水害が発生していないということは、まことに幸いなことであると思います。しかしながら、だからといいまして、過去のつらい経験、貴重な経験というものを風化させてはならないと思います。かつては、地域の特性を生かしたさまざまな知恵を働かせ、被害を最小限にする努力が続けられてきました。水害の多発地帯では、今も水害との闘いで生み出された水防の知恵が随所に残っております。災害に対する備えや、このための危機意識の保持が今こそ求められていると思います。機会があるごとに、過去の事例から水害の恐ろしさを真摯に学びながら、油断なく備えていくことが大事であり、痛みを伴った貴重な経験を将来に生かすためにも、日ごろの教育や訓練に役立てていかなければならないと思います。 そこで、次は、現在作成されております洪水ハザードマップに関してです。 自治体等が公表しておりますハザードマップは、自分の住む地域の災害危険度を把握するツールとして、前もって洪水による被害を知ることができること、ふだんから洪水による危機意識を持つことができること、何をすべきか、何が必要かを冷静に判断でき、素早く避難することができるなどの効果があるとされており、いざというときの避難行動に大変役立つものであります。そこで、浸水被害に対するソフト対策として、これまで夏井川水系と藤原川水系が完成し、関係地区の全世帯に配布されております。 そこで質問ですが、今回の6月豪雨を経験しまして、作成されてきた洪水ハザードマップと照らして、浸水などの被害に遭われた地区は想定内でおさまったのかどうかお伺いをいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) 洪水ハザードマップは、洪水時の堤防の決壊や越水はんらんによる浸水被害の範囲及び避難方法等に係る情報を住民に事前に提供し、防災意識の向上を図るため、浸水被害区域等を想定したものであります。今回の浸水被害地区については、堤防の決壊やはんらんによる浸水被害ではなく、河川水位の急激な上昇により、内水排除が一時的に不可能になったものと考えられますことから、洪水ハザードマップ浸水想定区域と比較することは困難であると考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 浸水被害に遭われた市民には、お見舞いを申し上げます。この洪水ハザードマップの完成によりまして、これまでの知見や予測というものを今後に生かしていくためにも、洪水ハザードマップのさらなる充実をお願いしたいと思います。 一方で、市民の立場からも、この洪水や浸水被害を予測するのに洪水ハザードマップは非常に効果がある、役立つこととされているわけであります。 そこで質問ですが、この洪水ハザードマップが未作成となっている水系につきまして、市民の安全面のさらなる確保をしていかなければならないと考えます。今年度は、鮫川水系、滑津川水系を作成中とのことでありますが、関係する各地域への配布はいつごろを考えているのかお伺いをいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) 鮫川水系及び滑津川水系に係る洪水ハザードマップにつきましては、今年度末に完成する見込みでありますことから、関係する流域の全世帯などへの配布は、来年度当初に行う予定としております。 ◆11番(阿部秀文君) その後の作成予定についてもお伺いをしたいと思います。 ◎土木部長(高島信夫君) 洪水ハザードマップについては、県における各水系の浸水予測調査の結果を受けながら作成を進めているものであり、これまでに夏井川水系と藤原川水系について作成しております。今年度は、鮫川水系と滑津川水系について作成する予定でありますが、その他の河川につきましては、今後、県の浸水予測調査の結果により、順次、作成を進めていく予定としております。 ◆11番(阿部秀文君) 本市には数多くの河川があるわけです。2級河川では64本、準用河川は30本、普通河川に至っては228本の河川が市民の暮らしとともにあるわけであります。引き続き、市民の生活を守るためにも作成いただくよう、よろしくお願いをしたいと思います。 次の質問に移ります。 現代社会は、ITの急速な進展やインターネットの普及とも相まって、さまざまな情報がはんらんしている情報化社会と言われております。その中から必要な情報をどのように取捨選択し取り入れていくかは、各人に任せられている状況にあります。市民の生命や財産を不測の事態から守っていくのに不可欠な情報を、的確に伝えることができるこのような洪水ハザードマップにつきましては、それぞれの居住地区の情報を一元化した1枚の地図によって、これを見れば地域の危険情報、避難経路、避難場所などのすべてがわかるようになっているということが大切ではないかと思うわけであります。高齢世帯やひとり暮らし世帯などもふえてきておりますことから、見やすく、理解しやすく、住民の安全確保に欠かせない確かな情報源として、万一のために備えておくことが必要ではないかと思うわけです。 そこで質問ですが、洪水や浸水が中心の洪水ハザードマップと、急傾斜地や土砂災害の発生予測を加えた防災マップ等を一元化した、すなわち1枚の地図に、防災に関するすべての情報が網羅されている地区別ハザードマップの作成を行っていくべきと思いますが、考えをお伺いします。 ◎土木部長(高島信夫君) 洪水ハザードマップと防災マップは、作成時期や記載する情報の違いから、それぞれ目的別のマップとして整備を進めておりましたが、昨年配布した藤原川水系の洪水ハザードマップにおきましては、土砂災害危険箇所なども網羅し、防災マップと同様の情報が得られるマップとして作成したところであります。今後も、市民の皆様にとって、より使いやすいマップとなるよう、工夫をしてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 作成に当たっては、よろしくお願いしたいと思います。 そこで、このマップの中で、避難所がハザードマップの危険エリアに入っている場合、地区住民への対応につきまして、どのように考えているのかお伺いをいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) 避難所が洪水ハザードマップ浸水想定区域内にある場合、マップの中において、洪水時には避難できない施設や2階以上に避難できる施設などの説明を記載しておりますが、地区住民の皆様には、より明確に内容を理解していただけるよう、配布に際して、十分な説明等を行ってまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) よろしくお願いしたいと思います。 次は、早期復旧に向けての対応、助成制度についてであります。 質問の1点目は、民地が土砂災害などの被害を受け、第三者にその被害が及ぶような場合もあると思います。そこで、早期復旧と同時に、地域の安全確保に向けまして、被害を受けた市民の自助努力により、すべてに対応していくには難しい部分もあると思います。そこで、地域の安全確保の観点から、さらには、第三者への救済策として何らかの助成制度が必要ではないかと思いますが、考えをお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 個人の財産は個人の責任で守ることが基本原則とされておりますことから、民有地の被害が第三者に影響を及ぼした場合に、行政が被害を受けた第三者に対し、家屋や敷地等の復旧について助成を行うことは、現在の防災対策の制度の上では困難でございます。 ◆11番(阿部秀文君) 結果として、そのまま放置をすれば、また2次災害も起こる可能性もあると思います。現行制度では難しいのかもしれませんが、やはり市民の暮らしを守るという観点から、どうすれば救済することができるのか、やはりいろいろ考えていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次の質問は、ボランティアに関してです。 最近の他市の事例でも、大きな災害が発生した場合、早期復旧に向けて市内外から多数のボランティアが駆けつけ、大きな戦力となって頑張っていただいております。大変ありがたいことであります。平成16年7月に起きました新潟・福島豪雨災害では、延べ人数で4万5,200人に上るボランティアが活動され、同じ年の新潟県中越地震では、9万2,000名を超えるボランティアが活動されたということでございます。 そこで、せっかく駆けつけてくれたボランティアの皆さんの気持ちと時間をむだにしないため、さらには地域の早期復旧に向け、マンパワーを効率よく効果的にさまざまな作業を進めていくには、一元化した指示命令体制のもとで行っていくことが重要であるということは、この事例から大きな反省点として学んできているところでございます。 そこで質問ですが、本市の場合、どのような体制を想定されているのかお伺いをいたします。 ◎市民生活部長(荒川喜一君) 市内で大規模災害が発生した場合、市地域防災計画におきましては、災害対策本部を設置し、社会福祉協議会等と協力いたしまして、ボランティアの受付窓口組織となる災害ボランティアセンターを設置することとしております。設置に当たりましては、社会福祉協議会の役員等から成る本部長、副本部長及び総括責任者を置き、業務に適切に対応するため、班を編成するなど、効率的な組織体制のもと、ボランティアの受け入れや救援物資の仕分け、配布のほか、現地での支援活動に当たっていただくこととしております。 なお、市は、災害ボランティアセンターとの情報交換や協議等を行う連絡調整窓口を設置し、活動場所の提供や適時適切な行政情報の伝達を行うこととしております。 ◆11番(阿部秀文君) 次の質問ですが、ボランティア保険が本市に導入されてきております。市外からのボランティアにつきましても、活動中のけがなどの場合は、いわき市民と同じように保険が適用されるのかどうかお伺いをいたします。 ◎市民生活部長(荒川喜一君) 平成5年度から、市民のボランティア活動中の事故に備えるため、市では災害補償保険に加入しており、平成14年度からは、災害時におけるボランティアの受け入れ等が円滑に行えるよう、市外からのボランティアについてもいわき市民と同様に保険の対象としております。この保険では、ボランティア活動に従事中の事故により、活動者が死亡した場合は500万円、負傷した場合には入院1日につき3,000円、通院1日につき2,000円の保険金が支払われることなどが主な内容となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 大変心強いことであると思います。今後とも制度の充実に努めていっていただきたいと思います。 最後の大きな質問の項目は、地域の防災力を高めるためについてです。 ふだんからハード面、ソフト面の双方から備えておくことが、防災力を高めていくには必要なことであると思います。 そこで、まず1点目ですが、土のうの備蓄に関してであります。 万一の浸水などから家屋を守るには、土のうが効果的であります。そこで、土のうの備蓄準備は欠かせないわけでありますけれども、洪水ハザードマップなどを利用しながら、浸水が予想される地域への配置が効果的であると思います。加えて、市民みずからが迅速に利用できるようにすれば、浸水から守る手段として、また初期作業として時間節約も可能であり、相当効果が大きいのではないかと思うわけであります。そこで、この土のうなどの保管場所の選定を見直すべきではないかとも考えますが、考えをお伺いいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) 土のうは、各地区水防部等の14の倉庫等に備蓄保管されており、これまでも水害等の緊急時に地区の消防団と市民との連携により活用されているところであります。今後も、各地区の要望などがあれば、相応の数量を事前に配布することも可能であると考えますことから、保管場所については現状を維持したいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 災害の起こり方が変化してきているわけです。そういう意味では、適切な対応とはどういうことかということを、やはり、計画をつくったからいいということではなくて、常に見直しをしていくことが大事ではないかと思うわけであります。現状に甘んずることなく、状況の変化に十分対応していただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。 2点目は、地域から頼りにされている消防団についてであります。 新・いわき市総合計画改定基本計画の中で、自衛組織としての消防団の現況と課題として、後継者不足や就労形態の多様化などにより人材が不足しつつある状況にあると認識されているわけです。一方で、地域の防災リーダーとして重要な役割を担う組織であり、将来にわたって継承していく必要があるとしているわけです。 そこで質問ですが、行政として、この地域防災のかなめである地域消防団との連携強化が不可欠であるわけですが、そのため、ふだんから行っていることや心がけていることについてお伺いをしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 消防団との連携を図るために、市と消防団の幹部で構成する消防会議や消防運営会議、さらには各消防団の支団単位で消防署幹部、さらには支所等の防災担当者、それから消防団支団幹部で構成する会議を開催しているほか、市の総合防災訓練や各地区ごとに消防署と消防団の合同訓練を定期的に行い、連携強化を図っているところでございます。 ◆11番(阿部秀文君) いわき市の消防団員は全体で3,800名おられますが、20代の団員は600名を割っている実態にあります。団員の平均年齢を見ますと39歳弱となっておりまして、高齢化が進んでいるとも言えるのではないかとも思います。地域の皆さんから消防団への期待は大変大きなものがあります。引き続き、団員の確保、そして日常の訓練による技術の研さんに十分励むことができるよう、さまざまな条件整備をよろしくお願いしたいと思います。 3点目は、自主防災組織についてです。 お聞きしますが、まず1点目として、現在の組織化の状況はどうかお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 自主防災組織数は今年度の7月1日現在で360であり、全世帯数に占める組織化された世帯数の割合、いわゆる結成率は約66%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 地区別で見た場合にはどうかお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 地区別の結成状況は、遠野、三和、田人及び川前の各地区におきましては、結成率が100%となっております。その他の9地区にありましては、高いところで82.1%、低いところで52.6%の結成率となっております。 ◆11番(阿部秀文君) ただいまの説明では、中山間地が100%ということで、市街地の結成率が低いわけですが、なぜなのかお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 中山間地は地域コミュニティーが比較的強固であることから、地域コミュニティーを基盤とする自主防災組織が結成しやすいのに対しまして、市街地におきましては地域コミュニティーの希薄化が進んでいることから、自主防災組織の結成率が低いものと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、今後の強化策についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 未結成の行政区に対しましては、これまでに消防防災課、各支所及び各消防署が一体となって、自主防災組織の結成を促してきたところでありますが、今後につきましても、結成について理解が得られますよう、これまで以上に粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) この防災組織、結成しただけでは効果がないわけでありまして、日常行っている訓練内容についてお伺いをいたします。 ◎消防長(木村清君) 自主防災組織に対する訓練内容につきましては、それぞれの自主防災組織が置かれている地理的状況や構成世帯の状況に見合った初期消火、避難誘導、救出・救護及び応急手当て等の各種実動訓練のほか、本年5月からは、新たに災害対応能力を高める災害図上訓練を取り入れたものとなっております。 ◆11番(阿部秀文君) 引き続き、市域の全部が組織化できるように、よろしくお願いしたいと思います。 次は、図上訓練に関してです。 実際の災害対応力を高める訓練手法としまして、図上訓練があります。特に、市長などの幹部の皆様には、災害時に一刻を争う意思決定が求められ、リーダーシップの重要性は今さら申すまでもないと思います。一方、住民サイドでも、日常生活の中で取り組める活動メニューとして、簡易な訓練が必要でもあります。自分自身や家族、地域の状況を理解することは、住んでいる地域の弱点やふだんの生活に潜んでいる危険を発見できるよい機会でもあると思います。 そこで質問ですが、図上訓練の実施状況についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 平成15年度及び平成16年度には、市総合防災訓練に係る図上訓練を、消防職員及びライフライン関係機関の職員を対象として実施いたしました。また、ことしの5月には、福島県の防災専門監を招き、自主防災組織の代表者を対象とした災害図上訓練を実施したところであります。 今後につきましては、自主防災組織の訓練指導を担当する消防本部と協議し、地域住民で構成する自主防災組織を対象とした図上訓練の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) よろしくお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。 災害は、いつ発生するか予測が難しく、継続した準備は難しいものがあると思います。そこで、防災の基本である、常に備えるということについて、特に考えがあればお伺いをいたしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 現在、市ホームページに地震の心得を掲載するとともに、FMいわきにより防災ひとくちメモを毎日放送し、日ごろからの備えを呼びかけているほか、土砂災害危険箇所、洪水による浸水想定箇所、避難所などの情報を掲載した防災マップを全戸配布するなどにより、防災意識の高揚を図っているところであります。今後とも、継続して市民の防災に対する意識の啓発に努めることが重要であると考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 次は、現在積み立てが行われております災害対策基金についてです。この災害対策基金の積み立ての状況についてお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 現在の状況は、株式会社マルト災害対策基金が3,000万円、その他篤志家災害対策基金が1,226万8,500円、合計で4,226万8,500円となっております。 ◆11番(阿部秀文君) この災害対策基金は、どのような場合に使用されるのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 基金は、市内で大規模地震等の災害が発生した場合に、避難所生活者に対する食料品、寝具及び生活必需品の供給などの災害応急対策や、災害予防、災害復旧に要する経費に充てることとしております。 ◆11番(阿部秀文君) 次は、非常用備蓄についてです。災害時非常用備蓄品の整備と備蓄促進が必要であると思いますが、現在の備蓄状況についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 現在、乾パン缶詰が8万5,920食、それから五目飯缶詰が4,080食の、合わせて9万食の食糧、また、毛布が5,700枚、非常用簡易トイレセットが566個、車いす対応型簡易トイレセット13個を備蓄しております。 ◆11番(阿部秀文君) この備蓄品のための予算はどの程度なのかお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) ただいま申し上げました備蓄品の購入にかかりました予算額が約2,630万円でございます。また、本年度の予算につきましては、ただいま申し上げました品物の更新にかかる経費といたしまして約100万円計上してございます。 ◆11番(阿部秀文君) 予算をお聞きしますと非常に少ないんではないかとも思うわけであります。常に備えるという観点からも、財政厳しい折ではありますけれども、備蓄に努められるよう、よろしくお願いしたいと思います。 次は、消防水利についてです。 地域の防災力を高める上で、想定する災害では火災も重要な要素であると思います。一方で、消防力を発揮する上で非常に重要な消防水利の確保については、本市の特性である広域であるがゆえに、その整備にも苦心されているところではないかと思います。 そこで、本市において、消火栓などの消防水利の充足率はどのようになっているのかお伺いをいたします。 ◎消防長(木村清君) 消防水利の充足率につきましては、平成17年4月1日現在、県平均の85.2%に対して、本市では89%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 災害はいつやってくるかわからない、だからこそ十分な備えが必要だと思います。要は、継続して対策がとられているか、一方で市民の危機意識の低下を招かないようにすることではないかとも思います。市民の生命と財産を守り続けていくため、災害に強いいわき市、防災のまちいわき市と評価されるよう、今後ともさまざまな施策の展開をお願いしたいと思います。 大きな2番目は、(仮称)いわき市総合型図書館についてであります。 振り返りますと、平成13年度に市総合型図書館整備検討懇談会から受けた提言を踏まえ、平成14年度には基本構想・計画を策定され、これまで進められてきました。これまでも何度かこの議場で取り上げられてきておりますが、広報いわき8月号では、総合型図書館の概要決まるとの見出しで特集記事が掲載されました。そこで、市民が待ち望んでいる総合型図書館について、特に利用者からの観点について伺ってまいりたいと思います。 まず現状の理解を深めるため、それらを伺う前に、既存図書館の貸し出し状況について何点か伺いたいと思います。 まず1点ですが、既存の図書館として中央図書館と地区図書館が5つの計6図書館あり、さらに中央図書館と勿来図書館には、図書館を利用しにくい市民のため移動図書館が配備され、多くの市民に親しまれ、利用されております。 そこで質問ですが、図書の貸し出し状況につきまして、全体として児童書とその他に大きく分類しますと、児童書の貸し出し割合はどの程度になるのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 市立図書館全体における児童書の貸し出し割合でございますが、平成17年度実績で申し上げますと約4割となっております。 ◆11番(阿部秀文君) ただいま申された4割というのは、どの図書館でも同じ傾向にあると言えるのかどうかお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 児童書の貸し出し割合は、市内6図書館ともに約4割となっており、いずれも同じような傾向になっております。 ◆11番(阿部秀文君) 次に、図書館の利用者実態についてですが、大きく年齢で分類した場合の利用者の傾向についてお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 図書館における年代ごとの利用者の傾向を平成17年度の実績で申し上げますと、40代及び50代の貸し出し利用が全体の約34%と一番多く、20代、30代が約29%、60歳以上が約19%、19歳以下が約18%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 特に市民が貸し出しを希望する蔵書の傾向があるのかどうか、もし把握をされているのであればお伺いをしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 貸し出しを希望する蔵書の傾向を、予約という観点から申し上げますと、小説等の文学関係の図書の予約が一番多い傾向にありますが、料理、健康法といった実用書や、法律、経営学といった専門書についての予約もふえつつあります。 ◆11番(阿部秀文君) 次の質問ですが、図書館によりましてサービス面でのアンケートなども実施されておるようですが、特に要望などが出されている点があればお伺いをしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 市内各図書館におきましては、図書館に対する要望箱を設置し、アンケートを実施しており、要望等の主なものといたしましては、館内の閲覧席をふやしてほしい、インターネットで図書の予約ができるようにしてほしい、祝日も開館してほしいなどでございます。 ◆11番(阿部秀文君) ただいまの答弁を伺って、図書館は市民から大いに利用されていると、このような実態が浮かび上がってきているとも思いますし、その役割から、市民の期待にも図書館としてこたえていかなければならないとも思います。 そこで、次は(仮称)いわき市総合型図書館の概要について伺ってまいりたいと思います。 まず、開館の時間についてですが、現在の図書館は平日は10時から19時まで、土日は10時から17時まで開館されております。そこで、この開館・閉館時間は既存図書館と同じくなるのか。それとも駅前という立地条件も十分考慮され、開館時間、要するにあいている時間を長くして、市民サービスの向上をこれまで以上に活発にすべきではないかとも思いますが、考えをお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) (仮称)市総合型図書館の開館時間につきましては、市民の皆様の利便性の向上、また、再開発ビルに導入される各施設との整合を図る観点などから、だれもが、いつでも利用できるような環境を整えるため、開館時間等の拡大に取り組むことが適切であるものと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 利活用の促進の観点からも、拡大の方向でよろしくお願いしたいと思います。 次は、児童ライブラリーについてです。児童書ばかりではなく、児童研究書なども充実させていく考えだとも思いますが、既存の地区図書館との連携強化に向けての考えをお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) (仮称)市総合型図書館におきましては、児童図書はもとより、一般的な図書から専門的な図書まで幅広く整備することとしておりまして、これらの蔵書について図書館巡回車での配送等により、読みたい図書がいつでも手に入るような体制を強化し、地区図書館との蔵書連携をより一層図ってまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 次は、いわき資料ライブラリーの充実に向けてであります。現在までに収集されてきた郷土資料関係の蔵書は、どのくらいに上っているのかお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 郷土資料につきましては、現在、市内6図書館で地域の歴史資料や行政資料など、約3万冊を所蔵しております。 ◆11番(阿部秀文君) 14市町村が大同合併して誕生したいわき市の生い立ちを考えますと、まだまだ地域の中で眠っている貴重な郷土資料があるのではないかとも思いますし、この郷土資料の散逸を防ぐためにも、市民へ郷土資料などの提供を積極的に呼びかけていったらどうかと考えますが、考えがあればお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 郷土資料につきましても、市場に流通していない資料も含めて幅広く収集、保存、活用を図ることとしておりまして、これまでも図書館のホームページ等で呼びかけを行ってきたところでございますが、今後とも散逸を防ぐため、市民や関係団体等へ呼びかけや所在等の基礎調査を実施してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 貴重な資料でもございますので、収集に御努力いただきたいと思います。 次は、選書や本の貸し出し方法についてです。諸般の事情から図書館を訪れることができない市民、特に地区の図書館にも訪れることができない方々もおられます。そこで、中山間地の住民への貸し出し、対応ができるよう検討していくことも必要ではないかとも考えますが、考えがあればお伺いをいたします。 ◎教育部長(山田満君) 市総合型図書館の供用開始にあわせ、移動図書館による巡回サービスの拡充を図ることにより、中山間地域を含め、広域な本市において、くまなく図書館サービスを提供できるように検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 拡充、よろしくお願いしたいと思います。 次は、100万冊蔵書を目指すとされているわけですが、経過の中で厳しい財政状況も考慮すれば、地区図書館がおろそかになるんではないかと、このような不安もあるんですが、考えをお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 地区図書館におきましても、市民のニーズを的確に把握し、それを反映した図書の充実に努めるとともに、(仮称)市総合型図書館との蔵書連携等により、常に新鮮な図書を提供できる体制を構築しながら、各地区における図書館サービスの拠点として、その機能充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 次は、本の選び方、選書についてであります。現在行われている選書するまでの仕組みについてお伺いをしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 現在の資料選定につきましては、図書館資料収集方針に基づき、各分野の資料選定参考書や出版ニュース等の書評及び週刊版の新刊全点リスト、さらには利用者の要望等を参考に、司書資格を有する職員による協議により、市内図書館全体に係る選書の調整を図るとともに、図書館全体の配架計画に沿いながら、分野別に選定しております。 ◆11番(阿部秀文君) 最後の質問になりますが、この選書に当たりましては、市民ニーズに対応した選書も重要になってくるとも考えます。そこで、選書に当たりましては、市民意見も十分組み入れられるような仕組みづくりも大切と思いますが、考えをお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) (仮称)市総合型図書館における図書資料の選定に当たりましては、市民意見を十分反映し整備することが重要でありますことから、市民から成る市立図書館協議会における検討を踏まえるとともに、今後さらに、市民ニーズを的確に把握しながら、市民意見を反映した蔵書の充実を図ることとしております。
    ○副議長(鈴木利之君) ここで、午前11時15分まで休憩いたします。            午前11時05分 休憩           ------------            午前11時15分 開議 △佐藤和美君質問 ○副議長(鈴木利之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。3番佐藤和美君。          〔3番佐藤和美君第二演壇に登壇〕 ◆3番(佐藤和美君) (拍手)3番いわき市議会志政会の佐藤和美であります。通告順に従い、質問いたします。 来る10月1日は、市制施行40周年、まさに節目の年であります。この40年間、それまでの基幹産業であった石炭産業が衰退の一途をたどる一方で、工業団地の造成による企業誘致に努めるなど、先人のたゆまぬ努力により、現在では製造品出荷額が1兆円を超える東北第一の工業都市となっております。そうした中、本市石炭産業の本家本元であった常磐地区におきましては、湧出する温泉を活用した、恐らく日本で初めてのテーマパークであろうかと思われます常磐ハワイアンセンターが誕生、石炭のまちは活気を取り戻し、その結果として、今では年間200万人を超える観光客が常磐地区を訪れております。 折しも、来る9月23日には、映画『フラガール』が全国で公開されます。昨今のフラダンスブームと相まって、全国の多くの皆さんに映画を見ていただけるものと大いに期待もし、また、いわき市の魅力を全国に発信できるものと確信すると同時に、私もこれを契機に、常磐地区、ひいてはいわき市のさらなる振興発展に取り組んでいきたいと決意を新たにしているところであります。 そこで、まず1点目は、常磐地区の諸問題について質問いたします。 質問の1つ目は、石炭・化石館についてであります。 この春公開された映画ドラえもんの中では、フタバスズキリュウが実名で登場いたします。いわき市のPRに大いに役立っているのではないかと思いますし、また、5月にはフタバスズキリュウには正式にフタバザウルススズキイという学名が決まり、石炭・化石館におきましても国立科学博物館と連携した事業などが実施されましたが、こうしたことをきっかけに、今後さらに多くの観光客においでいただきたいと願っております。 そこで、まず石炭・化石館の過去5年間の入館者数の推移について伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわき市石炭・化石館の過去5年間の入館者数につきましては、平成13年度が14万7,051人、平成14年度が15万9,305人、平成15年度が13万3,956人、平成16年度が12万564人、平成17年度が11万3,869人となっております。 ◆3番(佐藤和美君) 全体的に減少傾向のようですが、なぜ入館者が減少しているのか、その理由について見解をお聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 入館者が減少している理由といたしましては、当館が長年大規模な展示がえを行っていないこと、また、個人や少人数グループでの旅行の増加といった観光ニーズの変化により団体客が減少していること、さらには、周辺地域の大規模施設との競合などがあると考えております。 ◆3番(佐藤和美君) では、その対策は何かとられたのでしょうかお聞きします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 施設そのものにつきましては、小規模な改修は実施してまいりましたが、やはり大規模な改修はなかなか難しいという状況にございます。さらに、できるだけ企画展につきまして、入館に結びつくような企画をしようということで、特に石炭・化石館におきましては、化石という面に光を当てまして、アンモナイト展とか化石についてもっと知ろうとか、子供さん向けの化石が親しまれる展示等を実施したところでございます。 ◆3番(佐藤和美君) 石炭・化石館は開館して既に20数年の月日が経過しております。現在、石炭・化石館の隣接地では湯本川の河川工事が行われており、間もなく公園として、市民の皆様を初め多くの方々に憩いと安らぎを与える空間として利用されるものと期待しているところであります。この改修にあわせまして、石炭・化石館のリニューアルについても、ぜひとも前向きに検討していただくよう要望させていただきます。 次に、入館者を増加させるためには、新しいソフト事業の展開も必要であると思いますが、今後、市当局としてどのように取り組まれるのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 本年度につきましては、先ほども申し上げましたように、3月下旬から5月末までアニメ映画の公開を踏まえたパネル展や、4月には国立科学博物館との初めての連携による講演会、6月にはフタバスズキリュウの正式学名命名を受けた研究発表などの記念事業、さらには、夏休み期間であります7月下旬から8月末までには市内で発掘された貴重な化石を一堂に展示した企画展など、ソフト事業の充実に努めてまいりました。この結果、本年4月から8月までの入館者数は6万4,420人で、前年同期と比べ約14%の増となっております。 このようなことから、今後におきましても、映画『フラガール』にちなんだ特別企画展の開催や、常磐炭田史研究会による写真展、講演会等を行うほか、体験イベントを積極的に実施することなどにより、話題性や観光客のニーズを的確にとらえながら、より一層の入館者の増加が図れるよう、企画やサービスの充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 次に、ウッドピアいわきについてであります。ウッドピアいわきにつきましては、よく観光客の皆さんから、この建物は何ですかという質問をいただくことがあります。現在の状況は、どのようになっているのでしょうか。 ◎農林水産部長(高木直昭君) ウッドピアいわきは、木材のよさと木造建築物の普及促進を目的として平成元年に開設いたしました。当施設は、過去には多くのお客様に利用されておりましたが、現在はその一部がいわき市石炭・化石館の体験教室に利用されている程度で、開設当時に比べ、施設利用者は減少している現状にあります。 ◆3番(佐藤和美君) 今後の利活用策はどのようにお考えでしょうか。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 当施設は、開設以来17年が経過し、展示品の劣化や施設全体の老朽化が進んでいることなどから、今後の利活用につきましては、いわき市石炭・化石館と連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 石炭・化石館の周辺環境は、ここ数年でさま変わりいたします。それにあわせて、先ほど要望させていただきました石炭・化石館のリニューアル、さらにはウッドピアいわきの利活用など、ハード・ソフト両面から、施設本体のあり方についても十分検証していく必要があるのではないかと思っておりますので、ぜひ整備実現に向け取り組まれるよう重ねてお願い申し上げまして、次の質問に移ります。 2つ目は、いわき湯本温泉郷の振興策についてであります。 観光客にいわき湯本温泉の印象を聞きますと、まちの中に何も見るものがないなどという答えが返ってくることがありますが、最近では、いわき湯本温泉旅館協同組合が作成したゆもと街中お散歩マップを片手に、まちの中を散策している観光客も見かけるようになり、また、ことしの3月にオープンした鶴のあし湯は、温泉に足をつける多くの皆さんで連日にぎわうなど、湯本の町中も少しずつ変わってきているのかなと思うきょうこのごろであります。 さて、いわき湯本温泉では、足湯を多くの人に堪能していただこうと、各地のイベント時などにあわせて、豊富な温泉をタンクで運ぶ足湯の出前サービスを実施しておりますが、過日、新聞等にこうしたサービスには温泉法により温泉利用の許可申請が必要である旨の記事が掲載されました。申請手続と手数料負担が発生するなど、ボランティア的に行っている地元としては大いに困惑しているところであります。 そこで、まず温泉利用の許可申請手続は、どのようにしなければならないのか伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 足湯などの施設で温泉を公共の浴用や飲用に供しようとする場合は、温泉法第13条第1項の規定に基づき、許可申請書に温泉の成分や利用施設の概要などの必要書類を添えて、事前に保健所に提出することになっています。 ◆3番(佐藤和美君) では、その手数料は幾らになるのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 1件当たり3万5,000円となっております。 ◆3番(佐藤和美君) それでは、本市以外の状況についてですが、他の中核市における申請手数料の状況はどのようになっておるのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本市を除く35の中核市の中で、34市は本市と同額の3万5,000円となっております。 ◆3番(佐藤和美君) その都度申請する手間、あるいは申請手数料は地元として大きな痛手であります。いわき湯本温泉のように、観光振興や地域づくり活動の一環として実施している事業については、一括申請や手数料の減免など、柔軟な対応を望む声が多く聞かれますが、市当局の御所見をお聞きいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 温泉の利用については、市民の安全確保などが重要と考えており、その都度現地調査をして安全を確認する必要があることから、一括申請で処理する考えはありませんが、温泉の利用が一時的で、営利を目的とせず、かつ、本市の観光振興など、公益性の高い事業で利用するなど、一定の条件を満たす場合には、減免を行うことにしたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) ありがとうございます。 次に、いわき市常磐湯本財産区公衆浴場東湯についてであります。公衆浴場東湯は、料金も安く、また地域のコミュニティーづくりの場として多くの地元住民の皆様に親しまれております。しかしながら、施設の老朽化は著しく、現在そのリニューアルの話が進んでいると聞き及んでおりますが、まず、東湯の現在の状況について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 現在の東湯公衆浴場は常磐湯本財産区所有で、区民の福祉を増進するために昭和38年に改築されまして、既に築後42年を経過しております。木造平家建てで老朽化が著しく、また、建物の面積が52平米、それから敷地の面積も70.35平米と狭隘であることなどから、移転改築せざるを得ない現状ではないかと考えてございます。 ◆3番(佐藤和美君) 次に、現在進められているリニューアルの進捗状況を伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) まず、移転先につきましては、湯本駅周辺で空き地や駐車場などに利用されている8カ所を候補地とし、この中から、立地条件や敷地面積及び取得価格等を考慮し、平成17年11月22日の常磐湯本財産区議会の全員協議会におきまして、湯本町天王崎1番8の旧亀宗跡地の一部の用地446.81平米、こちらを選定したところでございまして、この9月6日に土地所有者と土地売買契約を締結したところでございます。 次に、浴室の規模内容につきましては、現在、基本設計を行っているところでございますが、区民等の要望を踏まえまして、高齢者、身体障がい者の方が家族とともに利用できる浴室の設置や段差の解消、スロープの設置など、施設内のバリアフリーに配慮するとともに、利用者の利便性を考慮しました駐車場の確保につきましても、設計に盛り込むことといたしております。 なお、選定地や浴場の規模などにつきましては、地元との合意形成を図ることが必要との認識から、まちづくり団体や地元商店街、それから財産区区域内の行政嘱託員などに対しまして説明会を開催し、理解を得たところでございます。 ◆3番(佐藤和美君) 湯本駅前にリニューアルオープン予定の東湯は財産区施設でありますが、財産区民の利便性が向上するだけではなく、区民以外の市民や観光客の利用増加を図ることにより、まちの活性化や湯本温泉郷のイメージアップなど、さらなる地域振興策にもつながるものと期待しております。しかし、今お聞きしました現計画の駐車場では、駐車場台数が8台分しか確保していないということから、駐車場不足による路上駐車問題等、新たな課題も懸念されます。ぜひ、地域振興の観点から、駅前の公共駐車場の利用も含め、現在30分間無料でありますが、例えばそれを45分間無料にするなど、利用者の利便性を高める方策についても前向きに検討されるよう要望いたします。 3つ目は、童謡のまちづくりについてであります。 先ほども申し上げましたとおり、鶴のあし湯のオープン以降、駅前さらには湯本の町中を歩く観光客の姿が、以前より目に見えて多くなりました。まち歩きの核となる施設ができたことの効果の大きさを実感しているところでありますが、訪れていただいた皆様に、どのようなさらなるおもてなしができるのかを考えるとき、湯本地区でこれまで取り組んできた童謡のまちづくりが挙げられます。童謡、唱歌を切り口としたまちづくりは全国的に展開されておりますが、湯本地区は野口雨情ゆかりの地であります。雨情に関する多くの資料などが保管されており、また、女性の方々を中心とする団体による童謡コンサートなどを実施するとともに、各種団体から成る童謡のまちづくり市民会議を中心に、今後の湯本地区における童謡を切り口としたまちづくりのあり方について、鋭意検討が進められているところであります。 そこで、まず、昨年2月定例会におきまして、私は童謡のまちづくりに関する質問をし、市当局から必要な協力・支援を行っていく旨の答弁をいただいておりますが、具体的にどのような支援をしてきたのか伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 童謡のまちづくり市民会議におきましては、地域住民や観光客、さらには、いわき湯本温泉を訪れる方々との心の交流を図るため、地域の宝であります童謡を生かしたまちづくりを進めており、これまでも先進事例地区の調査・研究や地元小学生を対象とした学習会を開催するなど、さまざまな取り組みを行っております。これらの事業は、これからのまちづくりを担う人材の育成や、ひいては地域振興にも大いに寄与するものでありますことから、市といたしましては、平成17年度から、明日をひらく人づくり事業といたしまして、事業費の一部を助成するなど積極的な支援を行ってきたところでございます。 ◆3番(佐藤和美君) 地元の検討の中では、地域活動の必要性を痛感しているところでありますが、その活動拠点は決して新しいものである必要はなく、歴史的な建物など地域ストックを活用して、みずからが知恵を出し、自分たちが汗をかいて整備していく方向で取り組もうとしております。市当局としては、どのような支援が可能なのか伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 個性豊かな地域づくり活動を実施するためには、その地区に存在しております歴史、文化あるいは建築物などの地域資源を最大限に活用していくことが極めて重要であるものと認識いたしております。このような考えを背景といたしまして、本年度、NPOやボランティア団体などが行います地域資源を活用したさまざまな活動に対して、その事業費の一部を助成するひと・まち元気創造事業を創設したところでございます。このうち、建物改修や必要備品の設置などを行う、いわゆるハード事業を行う場合には、元気な「まち」の宝物活用事業により、その活動を支援することが可能であると考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 地元では、場所を含め既に具体的な検討をしておりますので、歩いて楽しめる湯本温泉街の実現に向けて、ぜひ市当局の御支援をお願いいたします。 先日、ことしの夏の観光入り込み客数が発表になりました。8月の好天に恵まれ、昨年の入り込み客数を上回る結果となり、大変うれしく感じております。各海水浴場を初め、アクアマリンパークやいわき湯本温泉郷などの本市を代表する観光地に、年間750万人を超える観光客が訪れているわけでありますが、これは本市が温暖な気候という自然条件に恵まれているほか、常磐道や磐越道などの主要幹線道路の整備が着実に進められていることによる交通アクセス面での利便性の向上など、本市が年間を通した観光客の誘致に極めて有効な条件を兼ね備えているからではないでしょうか。 このような中、常磐道につきましては、この3月に東日本高速道路株式会社から平成26年度全線供用との計画が示され、本市の交流人口の拡大に向けましてもますます期待が膨らむところでありますが、心配されるのが仙台延伸による交通量の増加に伴う各料金所での渋滞問題であります。特に、いわき湯本インターチェンジでは、大型連休やお盆などの観光シーズンに、料金所が混雑し、渋滞の列が本線まで延びてしまう状況が見られますが、今後交通量が増加することとなれば、常磐道の利用者、とりわけ本市を訪れる観光客に大きな負担をかけることとなり、本市のイメージダウンにもつながるものと危惧しております。 そこで質問いたします。まず、東日本高速道路株式会社では、いわき湯本インターにおいて観光シーズンなど料金所の混雑が予想される場合に、どのような対策を講じているのか伺います。 ◎土木部長(高島信夫君) 東日本高速道路株式会社による渋滞対策といたしましては、平成3年度より混雑車両の整理に当たる誘導員を料金所出口手前に配置する対策や、入り口ゲートの一部を出口ゲートに切りかえる対策を実施しております。さらに、高速道路本線上においても、電光表示板や電光表示車を用い、料金所の渋滞情報の提供や近隣のインターチェンジへの誘導を図っているところであります。 ◆3番(佐藤和美君) わかりました。高速道路の入り口ゲートを減らし、出口ゲートに切りかえることで渋滞を軽減しているとのことでありますが、私もこのような混雑時に、湯本インターの渋滞の状況を目の当たりにいたしました。出口は一般ゲート2つ、ETC兼用ゲート1つの合計3つのゲートとなっておりますが、混雑時には長い渋滞の列が本線まで延びてしまうほか、ETC専用ゲートが一般車との兼用ゲートとされるため、ETC装着車でも一般車同様長時間待たされるなど、依然として改善の必要性がある状況となっております。 そこで、次の質問です。国と東日本高速道路株式会社では、ETCを普及させることにより料金所での渋滞緩和を行っているところでありますが、最近のETC利用率は全国平均ではどうなっているのか伺います。 ◎土木部長(高島信夫君) ETC利用率の全国平均につきましては、平成18年5月時点において58.5%となっております。 ◆3番(佐藤和美君) それでは、混雑時にいわき湯本料金所を通過する車両のETC利用率はどのようになっているのか、最近の数字をお尋ねいたします。 ◎土木部長(高島信夫君) いわき湯本インターチェンジにおきまして、本線までの渋滞が生じた平成18年5月5日のゴールデンウイークのETC利用率は、32.1%となっております。 ◆3番(佐藤和美君) 全国平均を大きく下回っていることがわかりました。なぜ、このように全国平均といわき湯本料金所とのETC利用率に差があるのかという疑問が生じるわけでありますが、全国平均を下回っている要因は何だと考えますか。 ◎土木部長(高島信夫君) 東日本高速道路株式会社によりますと、ゴールデンウイークなどの観光シーズンにおきましては、ETCを装着していない個人所有者の利用が多くなるため、ETC利用者の割合は全体的に低くなる傾向にあるということを聞いております。 ◆3番(佐藤和美君) 湯本インターにおいては、ETC利用率の低いことが主な渋滞要因であると考えられます。やはり、抜本的な対策は、ETCの利用促進を図ることがベストであると思います。今後、ETCの普及が進み、利用率が向上して、湯本インターの渋滞解消に至るまでにはなお時間を要するものと思われますが、その間の市としての対応はどのようにされるのか伺います。 ◎土木部長(高島信夫君) いわき湯本インターチェンジにおける渋滞につきましては、ゴールデンウイークなどの限られた時期に発生しているため、現在、東日本高速道路株式会社が実施している電光表示板等を用いた近隣のインターチェンジへの誘導分散対策等のソフト対策が、効果的な方法であると考えております。 したがいまして、市といたしましては、ETCが普及し、利用率が向上するまでの期間につきましては、東日本高速道路株式会社が実施する誘導分散対策がさらに充実するよう要請してまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) わかりました。ことしは市制施行40周年、これを期に本市を訪れる多くの皆様にとって、より快適においでいただけるよう点検してみてはどうかと思います。特に、観光シーズンに小名浜方面やスパリゾートハワイアンズに向かう利用客が多い湯本インターについては、現在進められている国道6号の小名浜住吉から常磐下船尾町までの4車線化が完了いたしますと、ますます交通量が増加することが予想され、本市を訪れる観光客に大きな負担をおかけし、マイナスのイメージを植えつけてしまうおそれがあります。このようなことが取り越し苦労で済むよう、ETCの普及促進を側面から支援するなど、市が関係各機関の中心となって活動を展開されることを切に要望し、この質問を終わります。 次の質問は、都市計画道路台山水野谷町線についてであります。 台山水野谷町線は湯本市街地と21世紀の森公園とのアクセス道路として整備が期待されておりますが、本路線の整備と関連する県事業による湯本跨線橋のかけかえ工事により、周辺道路事情が大きく変わろうとしております。本線道路の周辺には湯本温泉街、石炭・化石館などの観光施設や、いわきゆったり館、湯本病院などの福祉・医療施設が立地しており、自動車の利便性の確保と同時に、安全に安心して歩行者、自転車、車いす等が通行できる歩道の整備も重要であると考えております。 そこで、第1点目の質問は、事業概要について伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 都市計画道路台山水野谷町線は、常磐湯本市街地と21世紀の森公園を連結するアクセス道路として、さらには海浜部を結ぶ観光軸、交流軸として位置づけられている重要幹線道路であります。国道6号と湯本跨線橋の交差部付近の湯本町台山地内を起点とし、水野谷町竜ヶ沢地内を終点とする延長1,530メートル、代表幅員20メートルで、平成8年12月に都市計画決定された路線であります。このうち、起点側からトンネル区間317メートルを含む湯本町上浅貝地内までの約660メートルの区間は、国土交通省都市・地域整備局所管事業による台山工区として平成9年度から事業に着手し、概算事業費約40億円を見込み、また、上浅貝地内から終点までの約870メートルの区間は、道路局所管事業による水野谷町工区として平成11年度から事業に着手し、概算事業費約33億円を見込んでおり、平成22年度の全体供用開始を目指して整備を進めているところであります。 ◆3番(佐藤和美君) 次に、本路線の整備によってつけかえが必要となる生活道路は、市営八仙団地や周辺地域、さらにはいわき湯本病院利用者など、高齢者等の利用が多いと考えられますが、高齢者等に対し安全確保の観点から、どのような配慮がなされているのか伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 都市計画道路台山水野谷町線の沿線には、いわき湯本病院、いわきゆったり館などの医療・福祉施設が立地しておりますが、既存の生活道路には歩道が整備されていない状況にあります。このことから、本路線の整備に伴い、つけかえる道路につきましては、高齢者等の歩行者の方々が、安全に安心して通行できるよう配慮した歩道を整備する計画となっております。 ◆3番(佐藤和美君) 次に、工事期間中の通行の確保について伺います。県事業の三函台山線は、湯本跨線橋のかけかえがなされる計画と伺っておりますが、この道路は、JR常磐線と湯本川に分断された湯本市街地を連絡する重要な道路であり、湯本温泉街、石炭・化石館等の観光施設を結ぶとともに、地区住民の日々の生活道路としても欠かせないものであります。また、台山水野谷町線の整備に伴い、既存生活道路が大きくさま変わりするように伺っておりますが、工事期間中の通行確保についてはどう対応されるのか伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 県事業である三函台山線及び市事業である台山水野谷町線により影響を受ける国道6号や湯本跨線橋等の道路は、観光施設間の連携や地域の方々の生活に欠かせない路線であることから、県と綿密な協議を行いまして、施工計画を立案するとともに、工事実施に当たっては、周辺住民はもとより、観光施設等の利用者へ迂回路等の周知徹底を図り、施工中の通行の確保に十分配慮した円滑な工事施工に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 本計画により、周辺道路環境がどのように変化するのか、地域住民は図面を見ただけではなかなか具体的にイメージすることができません。事業をスムーズに進めるためには、地域住民が計画を十分理解し、協力をいただくことが不可欠でありますので、より具体的、立体的な完成予想図などにより、もっとわかりやすい形で周知・説明いただけるよう要望して、次の質問に入ります。 6番目の質問は、常磐上湯長谷町越巻地内で発生した地すべりについてであります。 上湯長谷町越巻地内では、本年8月12日に道路舗装に地割れが発生しているのが発見され、県や市による調査の結果、背後の山の斜面に地すべりが発生していることが確認されました。その後も、地すべりの影響により宅地等にさまざまな被害が発生しており、危険が高い3世帯の皆さんが自主的に避難されたと聞いております。地すべり、がけ崩れ、土石流など、土砂災害は一瞬にして多くの貴重な人命を奪う大変恐ろしい災害であり、私も住宅地の背後という身近な場所で地すべりが起こったことに驚き、大変危惧している者の一人であります。今後も、市内のどこかでこのような地すべりが起こらないという保証はありません。 そこで、初めに、今回の地すべりの被害状況はどのようなものであったかお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 地すべりの被害状況につきましては、地すべり斜面下部に位置します私道舗装板の隆起による破損、住宅敷地のコンクリートブロック及び駐車場コンクリート板の隆起による破損、上下水道管及びガス管の破損、土どめ擁壁の亀裂の発生・拡大、のり面の一部崩落などであります。 ◆3番(佐藤和美君) 次に、現在までの市の対応について伺います。 ◎土木部長(高島信夫君) 当該地区は、8月18日、路面の盛り上がりと宅地のコンクリートたたきの亀裂等が発生し、一刻の猶予もなかったことから、道路及び山林所有者の自主的判断により、8月19日に押さえ盛り土等による応急対策工事に着手したところであります。その後、市と県において現地調査をした結果、2ヘクタールを超す大規模な地すべりで、かつ、地すべりが依然として続いている状況であり、これを放置すれば、2級河川湯長谷川に影響を及ぼすことも想定されることから、市としても住民の安全のために県と連携し、押さえ盛り土による追加工事の指導を行い、8月27日には応急対策が完了したところであります。 ◆3番(佐藤和美君) 次に、今後の市の対応ですが、まず、自主避難している世帯への対応について伺います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 現在、自主避難しております3世帯の方につきましては、住民への対応等に万全を期すために設置いたしました災害対策地区本部におきまして、生活上の問題点等について相談の機会を設けており、今後、避難が長期化する場合は、市営住宅を確保し、希望者へ入居のあっせんも行ってまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 今後の地すべり対策については、どのように考えているのでしょうか。 ◎土木部長(高島信夫君) 今後の地すべり対策につきましては、現在、県が地すべりの原因や影響範囲の把握のための調査解析を行っているところであります。また、これと並行して、県は応急対策工事として地すべりの頂上部の土砂の排除に着手すべく、現在、工事用道路の整備を行っているところであります。 このようなことから、市といたしましては、今後も監視を継続的に行う一方、県に対し、本格的な対策工事の早期着手について要望してまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 災害から地域住民の生命、身体、財産を守ることは、行政の一番基本的な責務であります。防災は、ソフト面とハード面の両輪が機能して、初めて効果を発揮すると言われておりますので、行政の責務として、まずは住民の意識の高揚を図ること、場合によっては避難の勧告や避難の指示を適切に発令すること、さらには応急的な対策工事と本格的な復旧工事を確実に実施されるよう要望して、常磐地区の地すべり災害に関する質問を終わります。 大きな質問の2番目は、古紙のリサイクルの推進についてです。 国では、平成12年に循環型社会推進基本法を制定、容器包装や家電を初めとする各種個別リサイクル法を改正し、平成16年の廃棄物処理法の改正をもって、基本法を頂点とする循環型社会の法制度が一応の整備を見たところであります。循環型社会というものを一言で申しますと、廃棄物の排出を抑制し、排出された廃棄物はできるだけ資源として利用し、さらに、最後にどうしても利用できないものは適正に処分することにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷が低減される社会と言われています。 廃棄物処理法では、一般廃棄物については、家庭系だけでなく事業系も市町村が責任を持って処理することとされており、本市においては向こう5年間のごみ処理について、法律に基づいた基本計画をことし3月に定めております。この計画によりますと、平成16年度実績で1日一人当たりのごみ排出量1,152グラムを、目標年次である平成22年度には950グラムまで削減することとしており、年間の量に換算すると、今後約2万6,000トンの減量を行うものとなっております。本市におけるごみ減量化の取り組みには期待するところが大きいわけでありますが、この目標を達成するためには、さまざまな施策が必要になってまいります。そこで、今回は古紙に焦点を当てて質問したいと思います。 まず、1つ目の質問は、家庭系古紙のリサイクルについてですが、初めに、古紙はごみになったり、ごみでなくなったりと、理解しがたい面があります。市としては、古紙についてどのような認識でリサイクルを推進しているのか伺います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 古紙回収の推進による紙類のリサイクルは、循環型社会を形成するためのリサイクル活動の基軸となっており、森林資源の保全や地球温暖化対策としてCO2の排出削減に寄与するなど、持続可能な社会の実現に向けて、大きく貢献しているものと認識しております。 ◆3番(佐藤和美君) 現在、月に1回の回収を行っていますが、平成14年度から平成17年度までの回収実績の推移はどのようになっているのでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 平成14年度から平成17年度までの回収実績を申し上げますと、平成14年度は1万8,900トン、平成15年度は1万9,046トン、平成16年度は1万7,957トン、平成17年度は1万7,239トンとなっております。 ◆3番(佐藤和美君) 市のごみの総排出量が約15万トンでありますので、古紙の回収はかなりごみの減量化に貢献していると思います。 それでは、現在の古紙回収事業協同組合が主体となった本市の回収システムにおいて、市のかかわりはどのようなものでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 市といたしましては、市民の皆様に対してごみカレンダーを配布することにより、回収日や分別の方法を周知するとともに、古紙回収事業協同組合が主体となって行う回収事業に対して補助金を支出し、リサイクルシステムが安定的に確保されるよう支援しております。 ◆3番(佐藤和美君) 先ほどの答弁にもあったように、古紙として回収すると、その分ごみが減少するという関係から考えると、古紙の回収は非常に重要であります。そのためには、回収体制がしっかりしていることが大事であると思います。市としては、現在の回収システムをどのように評価しているのでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 古紙は商品取引市場における価格変動が著しく、今日のように市況が好調な場合は、個々の相対取引にゆだねることが可能である一方、価格が下落した場合には、一挙に焼却処理に向かうという側面を持っております。このようなことから、価格変動に左右されず、安定的に機能している現在の古紙回収システムの確保は、本市の循環型社会の形成のためには有効なものと認識いたしております。 ◆3番(佐藤和美君) 現在の回収システムの主体となっているいわき市古紙回収事業協同組合に対しては、市の補助金が支出されておりますが、効率的なのかどうかについて、金額で具体的にお示しいただきたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 例えば、家庭ごみの収集と同様に、古紙の回収を市が委託事業として実施した場合、約1億7,300万円を市が負担しなければなりません。これに対しまして、平成17年度の補助金の実績は7,757万7,000円となっており、効率的なシステムとして、市の負担が大幅に軽減されていると認識しております。 ◆3番(佐藤和美君) 他の中核市において、本市と同じような回収システムを採用している例はあるのでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 本市を除きます中核市35市のうち、13市が民間事業者に補助金を支出して古紙の回収を行っております。 ◆3番(佐藤和美君) 回収システムの安定的な維持のためには、地元自治会等の協力が必要不可欠でありますが、そのためには回収システムの全体的な流れについて、市としても地元自治会等に理解を求める取り組みが必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 議員御指摘のとおり、古紙回収システムの安定的な維持のためには、各自治会や市民の皆様の理解と協力が極めて重要であると認識しております。このため、これまでも啓発チラシの世帯回覧や公共施設へのポスターの掲示など、回収システムの周知を行ってまいりました。今後につきましても、機会をとらえて、さらなる周知啓発に取り組んでまいります。 ◆3番(佐藤和美君) 以上、家庭から排出される古紙類について伺いました。本市における古紙回収システムが十分に機能していることは理解できましたが、ごみ全体の減量化を推進していく中で、今後さらなる分別の徹底について十分な取り組みを期待したいと思います。 この質問項目の最後になりますが、現在の回収システムは、もとをたどれば地域の子供会などが行っていた廃品回収であります。子供たちがみずから古紙を回収し、それを資源として売却して活動資金を得ることにより、物を大切にする心を養うことができるのではないかと、みずからのかつての経験からも強く感じますが、子供たちへのリサイクル意識啓発の観点からはどのように取り組むのか伺います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 現在、市においては、小学校4年生全員への啓発冊子の配布、紙のリサイクル現場を直接訪れる親子ごみ処理施設見学会、あるいはクリンピーの家における各種啓発事業の実施や自発的な見学会など、子供たちが参加できる機会を幅広く確保しており、今後とも、これらの啓発活動の充実強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) それでは、学校教育面からは、このリサイクル意識啓発の取り組みについてどのように考えているのでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 市内の各小・中学校におきましては、それぞれの発達段階に応じ、物を大切にすることやごみの分別、リサイクルの大切さなどにつきまして、社会科や総合的な学習の時間に、市の作成した資料ごみのはなしを活用したり、クリンピーの家や清掃センターの見学を通して学習しております。また、児童会・生徒会活動でプルタブを回収し、車いす購入に役立てたり、PTA活動で古紙回収をし、学校の環境美化に役立てている学校の例もございます。 いずれにいたしましても、リサイクル資源などの有効活用は環境保全の面で今後ますます重要でありますことから、学校、PTA、地域社会が協力して取り組めるよう、啓発活動を推進してまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 子供たちが物を大事にするという気持ちを実感できるような啓発の推進に、今後とも重点的に取り組まれるよう要望し、次の質問に移ります。 2つ目の質問は、事業系古紙のリサイクルについてです。 先日、市廃棄物減量等推進審議会についての新聞報道がありました。事業系のごみを減量するために、まず、古紙について清掃センターへの持ち込みを規制するという内容でした。先ほど申し上げましたとおり、ごみ減量化のためには、事業所から排出される古紙についても、家庭系と同様、リサイクルを推進する必要があることは論をまちません。 そこで、幾つかの質問をしたいと思いますが、初めに、他の中核市でこのような搬入規制の取り組みを既に行っている市はあるのでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 本市を除きます中核市35市のうち、何らかの手法で、焼却施設への搬入規制を実施しているのは19市となっております。 ◆3番(佐藤和美君) このメリットはあるんでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 一般廃棄物のうち、家庭系ごみは減少傾向にありますが、事業系ごみは依然として増加傾向にあります。こうしたことから、事業者の皆様にも古紙の分別の徹底を要請することで、事業系の燃えるごみの1割前後を減量することができるものと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 多くの市において既に取り組んでいるとのことですが、今後の進め方について質問します。段階的に実施するとしても、10月からの実施に向け、周知期間は十分確保できるのか伺います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 各家庭で行っている5種類の古紙分別を各事業所にも協力を求めるものであり、直ちにその内容は理解していただけると思っております。市といたしましては、受入体制の整備に努めるとともに、各事業所に対し、十分な啓発を行ってまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 具体的な周知啓発の方法としては、どのようなことを考えているのでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 市内には約1万4,600カ所の事業所がありますが、商工会議所や各種業界団体等を通じた情報の提供、広報いわきへの記事の掲載、大規模事業者への啓発など、さまざまな機会をとらえて周知啓発を行ってまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 仮に、10月以降に清掃センターに古紙を持ち込んだ場合、どのように対処するのでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 12月までの間は指導期間として、持ち込まれたものは清掃センターで預かることとしておりますが、その際、リサイクルルートを十分に啓発することなどにより、事業者の皆様が自主的にリサイクルを推進できるよう周知・啓発してまいりたいと考えております。 ◆3番(佐藤和美君) 各事業者は、古紙回収事業者との個々の契約によりリサイクルすることになると聞いております。量が少なくて運搬に費用がかかり過ぎるなど、事業所によっては直接取引が負担になることが考えられますが、市では何か対策は考えているのでしょうか。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 今回の対応は、古紙リサイクルの取り組みが十分でないと思われる中小規模の事業者の皆様に重点的に協力を求めるものであります。このため、住居兼事務所などの小規模事業者であって、その排出量が家庭と同程度の場合には、管理者の了解を得た上で集積所へ排出することも認めるなどの対策を講じていく考えであります。 ◆3番(佐藤和美君) ごみ減量化のためには、事業系古紙のリサイクルを優先的に行わなければならないことが理解できました。各事業者に御理解をいただきながら、実施に当たっては問題が起きないよう、万全を期して取り組んでいただきたいと思います。 以上で、私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(鈴木利之君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。            午後0時11分 休憩           ------------            午後1時10分 開議 △酒井光一郎君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。14番酒井光一郎君。          〔14番酒井光一郎君第二演壇に登壇〕 ◆14番(酒井光一郎君) (拍手)14番志政会の酒井光一郎です。 去る9月6日、志政会として行政機構改革に対する要望書を取りまとめ、櫛田市長に対し提出いたしました。市長を初めとする執行部各位には、この要望書の意を十分に理解され、要望内容の実現に向け、特段の配慮がなされますよう求めたところです。 席上、私はいろいろな改革を実現するのは人であるという観点から、人、人事の課題について申し上げました。組織を動かすのは人であり、職員一人一人のやる気こそが組織の行動力の源泉であり、今後の組織運営、さらには行政執行の最も重要な要素の1つであるとの考えから、それぞれの職員にやる気を起こさせるような意識改革のための研修や、人事考課制度などを検討することを進言いたしました。いずれ、組織の根本を人ととらえるならば、いかにそれを束ねて、市民サービスの向上といった、たった1つの目標に向け動かしていくことができるかということに、市長御自身のいわき市そのものに対する経営手腕が問われていると言っても決して過言ではないでしょう。 現在進行する市立病院事業改革にしろ、ハード整備が着々進行する文化交流施設、さらには、いわき駅周辺再生拠点整備事業に伴って建設中の(仮称)市総合型図書館しかり、最後の最後によりどころになるのは人であるとの見地から、市長にはこの点に十分意を用いて、その持てる特性を最大限引き出せるような環境づくりに努められるよう、重ねて申し上げるものであります。そして、ただいま申し上げました(仮称)市総合型図書館においては、人の人たるゆえんである文化や歴史を学ぶ知識の集積がなされる場所として、鋭意整備が進んでいるわけです。 質問の第1点は、(仮称)市総合型図書館整備についてでございます。 私は、本年2月定例会において、市民の皆様が楽しく有意義に過ごすことができ、役に立つ図書館として整備されるよう、今後の図書館整備の基本的な考え方について質問いたしました。今回は、人と人とをつなぐビジネス支援及び情報システムの整備について質問をしたいと思います。 これからの図書館のあり方については、文部科学省から諮問を受けたこれからの図書館の在り方検討協力者会議において検討されておりましたが、本年3月に、これらの図書館像、地域を支える情報拠点として提言がまとめられました。従来の閲覧、貸し出し、リクエストサービス等を維持しつつ、地域や住民にとって役に立つ図書館としての必要な機能を新たな視点から述べており、提言の主な取り組みの1つとして、住民の生活、仕事、自治体行政、学校、産業など各分野の課題解決を支援する相談・情報提供機能の強化が挙げられており、その中で目を引くのがビジネス支援という言葉であります。 図書館におけるビジネス支援は、最近建設された図書館での取り組みが多くなってきております。特に、駅前に設置された図書館において充実されているのではないかと考えております。私も、実際に浦安市、町田市の図書館を視察しております。ビジネス支援関係で利用される方が多くいることに驚きました。これは、起業家などが新たに事業を創造するに当たっては、高度な情報収集分析活用能力が必要となること、また、多くの市民の間でも、現在の経済情勢を背景に、自己の生活防衛の観点からも、行政に多くのビジネス支援を求めるようになっているのではないかと考えます。本市の(仮称)市総合型図書館は、交通の結節点であるいわき駅前地区の再開発ビルに整備されるものであり、いわき商工会議所、産業交流拠点施設も整備されることから、図書館事業、特にビジネス支援においては大きなメリットになるものと考えます。 提言の取り組みの2つ目として、図書館のハイブリッド化、つまり印刷資料である紙媒体とインターネットなどの電子媒体とを組み合わせ、高度な情報提供ということで、パソコンの整備、ネットワークへの接続、データベースの活用、蔵書横断検索システムの整備、図書館ホームページの開設、インターネットの活用等が掲げられております。また、だれもが親しみやすく利用をしやすい生涯学習の拠点となる施設を目指すためにも、情報システムの整備は市民サービスの向上に欠かせないものであり、このため、(仮称)市総合型図書館の図書館情報システムの構築については、十分に意を用いなければならないものと考えるものであります。これまで、ビジネス支援や情報システムの整備について私の考えを申しましたが、その観点から何点か質問いたします。 初めに、ビジネス支援についてであります。 既に、きょうの午前中の阿部議員の答弁にもございましたので、総合型図書館の役割については理解をしたところでございます。では、実際に各地の図書館ではビジネス支援として関連図書、資料を備えているようであるが、(仮称)市総合型図書館としてどのように整備を図るのかお伺いします。 ◎教育部長(山田満君) ビジネス支援関連図書につきましては、金融情報や経済統計等の金融・財政資料や、業種ごとの会社経営のための実務資料などを、開館時におきまして、先行自治体と同等以上の7,000冊程度を整備することとしており、開館後につきましても、関連図書について計画的に整備をすることとしております。 ◆14番(酒井光一郎君) 今、部長の答弁の中で、先進事例と同等に約7,000冊という御答弁をいただきましたけれども、では、具体的にどのような支援を実施するのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) ビジネス支援関連データベースなどにつきましては、企業情報やマーケット情報などの最新の経済情報、また、過去数十年にわたる新聞記事情報、各種法律情報など、ビジネス支援に有用なさまざまな情報を無料で提供していくこととしております。 ◆14番(酒井光一郎君) 法律情報、また新聞記事の過去のデータというお話がありましたけれども、法律相談をしたいという市民が多数、今いるように私も感じ取っております。 それでは、この情報システムに関してお伺いしますけれども、まず、新たな図書館情報システムに関して、私は2月にも質問させてもらいましたが、その前の12月にも提言させてもらっていますけれども、ICタグ、今回採用になったようでございますけれども、そのICタグについてお伺いします。私なりに、ちょっとタグを勉強しました。ICタグとは、実際には電子荷札といいましょうか、荷札というものを本に今回採用するわけでございますけれども、これが約36倍に拡大しましたICタグの写真でありますけれども、実際に本の情報というものがこのチップ、現物はこんな小さいものでシールになっているそうですけれども、約1ミリ四方のチップに入りまして、あとはほとんどアンテナが入るという、これがICタグでございます。 ICタグのよさは、先進図書館において私も何点か視察させてもらいました。情報は今現在のバーコードの10倍ほどの能力、そしてまた、今現在の図書館は一人当たり15冊ほど本を貸し出すわけですけれども、1冊1冊バーコードで検知しているわけでございます。それが、一括で15冊の本を感知できると、そういった能力も持っているというお話も聞かせてもらいました。こういったチップ、現物はこういう小さいものだそうですけれども、これを張ることによってどのような具体的なメリットがあるのかお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) ただいまのICタグを活用することによりまして、図書館において多大な労力と時間を要する図書の貸し出し・返却業務や蔵書点検などの業務を迅速あるいは省力化することが可能となります。この結果、待ち時間の短縮や利用者みずからの貸し出し手続によるプライバシーの保護など、これまで以上に市民サービスの向上が期待できるものと考えております。 また、図書に関する調査、相談業務など、いわゆるレファレンス業務への限られた職員の重点配置や、休館日数等の大幅な削減が可能となるなど、多様な市民ニーズに対応した効率的で効果的な管理運営を実現することができることが大きなメリットと考えています。 ◆14番(酒井光一郎君) いろいろなメリットがあるというお話でした。私も図書館に行きまして、カウンターで本を借りるとき接するわけでございますけれども、それがこのタグ化によって自動化になるということで、自分で自動的に感知してそれを借りてこれると。まさしく、今部長が言ったプライバシーの保護、そういった観点からもよくなるのかなと、今の話を聞いて感じました。 次に、これまでの図書館は、図書資料の収集・保存・提供を主としておりましたけれども、今後は映像・音声等の資料を求める市民ニーズにこたえることが必要であると考えます。新たな図書館情報システムにおいては、どのように取り組むのかお考えをお示しください。 ◎教育部長(山田満君) 図書館情報システムにつきましては、新たにDVDやビデオ、さらにはインターネットで配信された映像などを、館内の映像ブースで閲覧することが可能となるよう整備することとしておりまして、図書館情報とあわせた効果的な学習が可能となると考えております。 ◆14番(酒井光一郎君) 次に、パソコンや携帯電話を利用して、インターネットで個人情報を扱うことになります。個人情報の漏えい対策、セキュリティーは十分かどうかというのが大変心配ですので、その点についてもお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) インターネットで図書サービスを利用するに当たりましては、まず利用者が本人であるか確認するため、パスワードによる認証が必要となります。これによりまして、他人に勝手に見られるということはない仕組みとなっております。また、貸し出し予約などで個人情報をやりとりする際には常に暗号化して行いますので、第三者が知り得ることはございません。さらに、市で保管しております個人情報につきましても、利用者が直接アクセスできない仕組みとなっており、地域イントラネットの強固なセキュリティー対策とあわせて、十分なセキュリティー対策を講じてまいりたいと考えております。 ◆14番(酒井光一郎君) セキュリティーの方は十分対応していくという答弁でしたけれども、議長のお許しをいただいていまして、携帯電話を今持ってきました。スイッチは入っておりません。携帯電話からそのシステムによって、どこでも、だれでも、いつでも図書館にアクセスができて、自分の借りたい本をここで検索し、借りられるわけです。そういったネットワーク構築の裏側には、そういった心配もあるんだということを、再度セキュリティーに関しても厳しい目で見ていただきたいと思います。 では、次は、デジタルデバイド、要するに情報格差が生じると思われます。要するに、携帯電話を持っていない方、また、コンピューターを使われない方、そういった人に対してはどのように考えるのかお伺いします。
    ◎教育部長(山田満君) 新たな図書館情報システムにつきましては、文字の拡大や読み仮名表示等に対応した使いやすい画面設定など、だれもが簡単に利用できますよう、ユニバーサルデザインを考慮したシステムを構築することとしております。また、図書館情報システムの利用が困難な場合でも、職員による案内を実施するなど、親切、丁寧に対応できる運用面における体制の構築にも、十分意を用いてまいりたいと考えております。 ◆14番(酒井光一郎君) また、図書館の性質上、特に視覚障がい者に対する十分な対応が必要であると考えられます。どのような配慮がなされているのかお伺いをしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 視覚障がい者のためには、図書の文字を拡大して閲覧可能な読書拡大器を設置することとしており、また、点字図書につきましても、今まで以上に充実を図るよう検討しているところであります。また、視覚障がい者が耳で図書を楽しむ録音図書を作成するための設備を設け、ボランティア団体の皆様との連携を図りながら、録音図書の充実に向けた環境づくりも進めてまいりたいと考えております。 ◆14番(酒井光一郎君) それでは、ビジネス支援サービスの充実、情報システムを活用した図書館サービスの充実に向けては、総合型図書館がどのような管理運営を行うのかがポイントだと思います。特に、これらのサービスは、総合型図書館が取り組むレファレンス業務-検索・相談・紹介ということでしょうけれども、それらとも深く関連することなどから、市が直接管理運営を行う必要があること、また、市民がいつでも利活用できる環境を整える必要があり、駅前再開発ビル内に整備される観点などから、開館時間等の拡大を図ることなどが重要であると思われます。午前中もお話しがありましたけれども、改めて、その管理運営の基本的な考え方についてお示しください。 ◎教育部長(山田満君) (仮称)市総合型図書館の管理運営につきましては、直営、一部業務委託、指定管理者制度の適用など、さまざまな観点から検討を行っているところでありますが、市民の皆様に対する課題解決に向けた、先ほどおただしがありましたレファレンス機能の発揮、図書資料の計画的かつ公平な収集・提供、学校や公民館等の教育機関との効率的な連携、さらには図書館利用者へのサポートなど、業務の遂行に当たり、高い知識や技量が求められる教育機能などを担う分野につきましては、市が責任を持って取り組むことが適切であるものと考えております。 また、施設の開館時間、開館日等につきましては、市民の皆様の利便性の向上、また、再開発ビルに導入される各施設との整合を図る観点などから、だれもが、いつでも利用できるような環境を整えるべく、開館時間、開館日等の拡大に取り組むことが適切であるものと考えております。 市といたしましては、このような基本的な考え方をもとに、今後、行財政運営の指針となります行財政改革大綱と整合を図りながら、また、他市の事例等も参考としながら、早期に管理運営体制を決定し、お示ししてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと思います。 ◆14番(酒井光一郎君) 先ほど言いましたけれども、レファレンス機能、市民が相談すれば、その市民の情報が入るわけでございます。そういった個人情報の保護の観点からも、しっかりした管理が必要になるのかなと考えます。システムの導入に際しては、単に機械的に整備するものではなく、利用者の立場に立って、だれもが利用しやすく、だれにでも優しいシステムづくりを進めていただくようお願いいたしまして、次の質問に入りたいと思います。 次の大きな質問の2番目は、総合保健福祉センター隣接地の利活用についてであります。 当該地区は、いわき貨物ヤード跡地約4ヘクタールを国鉄清算事業団から、保健所・保健福祉センター及び保健・医療・福祉関係施設等整備用地として、平成10年6月に市議会の議決を得て取得し、そのうち2ヘクタールに、本市の保健・医療・福祉サービスを総合的に提供する拠点施設として市総合保健福祉センターを整備し、平成15年より供用開始しているところであります。 しかしながら、残りの2ヘクタールについては、具体的な利活用策が決定していない状況にありますことから、地元内郷地区においては、平成16年4月に内郷地区魅力あるまちづくり懇談会、内郷ふるさと振興協議会、いわき貨物ヤード跡地開発促進協議会の3団体を母体とする、いわき市総合保健福祉センター隣接地利活用検討委員会が発足し、内郷地区全世帯にアンケート調査を実施し、地区住民の熱い願いを込めて、平成17年5月には同団体から市に対し、当該地の利活用について提言がなされたものです。内郷地区住民はもちろん、いわき市民の多くがその趨勢を注目しているところであります。また、都市計画道路八反田四方木田線の開通式を、先月10日に内郷高坂町で行いました。同線は、JR常磐線により東西に分断された内郷市街地区を、地下式立体交差で結ぶ道路です。この開通により、総合保健福祉センターの近隣環境が大きく、大変よく変化したと考えられます。 そこで、まず、地元検討委員会からの提言内容についてでございますけれども、提言事項の多かった順に申し上げますと、リハビリや冬期にも使用可能な温水プールを整備した健康増進施設、そして交流広場として多目的に利用できるオープンスペース、または医療・福祉サービスの拠点、そして老朽化した内郷消防署の移転を核とする救急防災施設となっております。それらを踏まえ、当局はどのように検討されたのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 平成17年5月に提出された地元からの御提言は、地元関係団体からの意見や地域住民アンケート調査結果などを踏まえ提出された、貴重な御提案と認識しております。当該地の利活用に当たっては、平成16年度に立ち上げた関係課の職員18名から成る総合保健福祉センター隣接地利活用に係る関係課長会議の中で、用地取得の経緯や地元からの御提言の内容も十分尊重しながら、全市的な見地から、検討を続けているところであります。 ◆14番(酒井光一郎君) 検討されているという御答弁でございましたけれども、それでは、これまで地元の藁谷議長、また野地議員も、この議場で何回も質問されております。その結論はいつ出すことになるんでしょうかお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 当該地の利活用に係る具体的な事業の実施時期等につきましては、その内容が決定してから、改めて検討することになると考えておりますが、利活用の方針そのものにつきましては、できるだけ早期に、一定の方向性をお示しできるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆14番(酒井光一郎君) 部長の方からは、できるだけ早期にという、今の答弁でございました。 市長、地元住民の中には、市長がかわったことにより、地元の熱い思いが伝わらなくなるのではと危惧する向きもあります。行政の継続性は厳然として存在しているのだと、市長御本人のお言葉でお話をいただきたいのですがいかがでしょうか。 ◎市長(櫛田一男君) 本提言は、ただいま部長答弁にもありましたとおり、地元の熱い熱意であります。婦人会、商工会、青年会議所など、地元関係団体からの意見、あるいは内郷地区内の1万2,000世帯と、次代を担う地元中学生に対するアンケート調査結果等を踏まえ、まとめ上げた貴重な御提案と認識しております。したがいまして、今後とも御提言の内容も十分に尊重しながら、引き続き、ただいま部長答弁にもありましたけれども、全市的な視野で、よりよい利活用の方法を検討しているところであります。 したがいまして、冒頭、議員のおただしの言葉でありますが、市長がかわれば方針がその都度変わっていくということは決してございませんので、一貫性を貫いていく考えに間違いはありません。したがいまして、地元の内郷地区の熱い思いというものは、今、多方面にわたって展開中でありますが、そういったことも踏まえて検討中であります。 ◆14番(酒井光一郎君) 市長のお言葉の中で、前向きに検討すると、今、私はとらえました。市長がいつも言う産学官地、私はこの事業そのものが地の部分に値するものかなと思いますので、積極的な検討をお願いしたいと思います。 しかし、市の財政は非常に厳しい状況にある中ですので、そして、市の中心部の市街地に位置する2ヘクタールという広大な土地をいつまでも未利用地のまま放置しておくことは、中心市街地の活性化の観点からも、決して望ましいとは考えられません。 そこで、質問の4点目ですが、公共事業の展開が厳しい状況の中で、いつまでも公共事業にこだわることなく、発想を転換して、民間による利活用の可能性も含めて検討する必要があると考えます。これは、地元検討委員会が提案した内容にも含まれておりますけれども、御所見をお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 当該地は、保健・医療・福祉関係施設等整備用地として取得したものであり、これまではその取得目的に沿って、市が公共事業として活用すべきものとしておりました。しかしながら、地元からの御提案の中にも、民間事業としての整備案が示されていること、また、用地の規模、広さですけれども、それを考えれば複数の用途に供することも可能であること、さらには三位一体の改革などにより、市の財政状況も厳しさを増していることなどから、関係課長会議における議論の中でも、用地の一部については、民間活力の導入についても検討すべきとの意見が出されております。 したがいまして、今後、さらに行政が主体となって整備する必要性が高い事業について検討を進めるとともに、あわせて、民間活力の導入による効果的な事業展開についても鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆14番(酒井光一郎君) よく、役所は費用対効果とか、そういった言葉の中で方向性を示すことがありますけれども、私はこの平成10年に取得した目的、また、そうした地域住民の思いを受けて、緊急性があるものは何かといいますと、大変老朽化した内郷消防署の移転だと思います。既に40数年を経過して、市内の消防署で最も古い施設であります。内郷消防署は、現在、内郷・好間地区を管轄し、当該区域は高速道路の常磐道、磐越道、さらには中核医療機関の総合磐城共立病院、労災病院が隣接し、広域消防・救急業務が望まれていることから、この件に関してもどのような検討をなされたのかお伺いをしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 地元からの御提案にありました内郷消防署の移転用地としての利用につきましては、関係課長会議を初めとした内部検討において、他の御提案内容とともに、用地取得目的との整合、適地性などについて検討を進めてきたところであります。また、消防本部においても、平成16年6月に設置した消防組織機構及び内郷消防署改築整備検討委員会の中で、内郷消防署の位置づけ、施設の機能や規模、建設候補地など、より具体的な事項についても検討を進めてきたところであります。 ◆14番(酒井光一郎君) 災害から守る側、そして、それを望む側、この守る側の城がこんな状況ではと本当に心配をしているところでございますので、そういった意味を含めまして、積極的な検討をお願いしたいと思います。 最後に、当該用地を取得した平成10年当時とは、本市を取り巻く状況も大きく変わってきておりますことから、柔軟な対応をとることも視野に入れなければいけないと思料いたすところでございます。取得目的にかなった市民にとって望ましい事業展開が図られるのであれば、積極的な民間活力を導入し、整備していくといった手法も1つの方策かと考えますので、この点につきましては地元住民の熱い思いをどうか御賢察いただき、ぜひとも前向きに検討を進めていただきますよう強く要望いたし、質問を終わります。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後2時15分まで休憩いたします。            午後1時44分 休憩           ------------            午後2時15分 開議 △高橋明子君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。22番高橋明子君。          〔22番高橋明子君第二演壇に登壇〕 ◆22番(高橋明子君) (拍手)22番日本共産党の高橋明子です。これより一般質問を始めます。 初めに、要介護認定者への障害者控除対象者認定書についてです。 この6月、高齢者の皆さんに市県民税の納付通知書が届くや否や、この数字は間違っていないかとか、どうしてこんなに市県民税が上がったんだという問い合わせや苦情の電話が、3,000件から4,000件市民税課にあったと聞きました。市県民税が上がった理由は、2004年に公的年金控除が140万円から120万円に縮小されたこと、住民税の老年者控除48万円が廃止されたこと、2005年度は市県民税の非課税限度額125万円以下が廃止されたこと、そして定率減税が半減されました。これらの理由により、年金からの控除が少なくなりました。そのため、市県民税が一気に増税になりました。非課税だった人が課税になり、それに連動して介護保険料が上がりました。年金控除縮小で国保税が上がりました。高齢者の負担増を少しでも軽減させるため、今ある制度を積極的に活用すべきと考えます。 介護保険を利用するとき介護認定を受けますが、要介護と認定を受けた人は、障害者手帳を持っていなくても、市が所得税法と地方税法で定める障がい者と認定することで、税を申告するとき障害者控除ができます。障害者控除をすることで、非課税になり、介護保険料が大きく減額になる人もいます。しかし、この制度を知らない人が多くおります。 伺いますけれども、来年度の税申告に間に合うよう、対象となる市民の皆さんへ周知徹底を図るべきと思いますがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 要介護認定者への障害者控除対象者認定書については、平成17年度で本市の場合10名の方へ交付されていますが、引き続き、制度の周知に努めていく必要があると考えております。今後におきましては、広報紙や関係パンフレットを活用するとともに、介護支援専門員に対する研修等においても説明を行うなど、さらなる周知の徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆22番(高橋明子君) 部長、国保税は7割、5割、2割という減免になりました。2割は、市から、あなたは2割になりましたよというお知らせをやっても、自分から申請するわけですので、それが100%にいかないという話を聞いておりました。なかなか自分からというのは難しいと考えるんですけれども、要介護者は市が把握をしております。対象者に直接お知らせする個別通知は可能だと思うんですがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 窓口でのお知らせとか、それから全般的な形での周知の徹底というのは可能かと思います。ただ、個別通知は、その方の所得の状況や何かも見なければなりませんので、方法として可能かどうかは検討させていただきますが、ここで即答することは控えさせていただきます。 ◆22番(高橋明子君) ぜひ、所得が云々ではないはずだと思いますので、御検討よろしくお願いいたします。 次ですけれども、今、医療を取り巻く情勢は大変厳しく、私たち市民に大きな影響を与えております。国民皆保険と言われておりますけれども、国保税を納め切れず、滞納したことで保険証が手元にない人がふえて、そのため、ぐあいが悪くなってもなかなか病院にかかれないという人が出てきております。また、小泉内閣の医療改革で高齢者の医療費負担がふえ続け、安心して治療を受けたり入院したりすることが厳しくなっております。医療機関でも診療報酬が引き上げられたり、また、医師不足で経営が危ぶまれるという状況が生まれております。このことを踏まえて、質問をしたいと思います。 市立病院改革に係る基本方針についてです。 この基本方針は、市立病院の役割や機能を示し、市民に安全・安心の医療提供をすることを目的として、さらに経営の安定を目指している内容になっております。ところが、これら目的達成のための一番の力となる医師が大学病院に引き上げられたり、開業するなどで、医師不足が深刻になっております。市立病院だけでなく、市内の大きな病院も同様に医師不足になっております。このまま医師不足が続けば、いわき市では全国平均レベルの治療ができなくなることもあると述べている医師もおります。 お伺いいたします。今や、医師不足でいわき市の地域医療が崩壊の危機に瀕していると言われておりますが、市はこのことをどのように認識されているでしょうかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 市内の病院の勤務医につきましては、議員御指摘のとおり減少傾向にあり、診療科目の廃止・休止や診療対象を限定するなどの医療提供体制の縮小を余儀なくされている病院も出てきております。このような状況が続けば、安定した医療の提供に少なからず影響が出るおそれがあり、深刻な問題であると認識しております。 ◆22番(高橋明子君) 行政は、市立病院のありようを追求するということになっておりますが、今はそれだけにとどまらない状況があるということを、部長自身も認識されたと思うんです。今後は、やはりいわき市全体の医療はどうあるべきかということなどを十分に考えながら進めていかなければならない状態だと私は思っておりますので、よろしくお願いいたします。 市立病院の役割・機能について伺います。 共立病院、常磐病院は、自治体病院として地域医療の中核的病院です。また、民間の医療機関では取り組みにくい高度・特殊・先駆的医療や精神、救急、リハビリテーションなど、不採算と言われる分野の医療を担うなど、住民の命と健康を守るため大きな役割を果たしております。 しかし、今、市立病院は大きな危機に直面していると思います。その1つは、政府の医療改悪によって、自治体病院は赤字経営を余儀なくされていることです。このことは、政府が進める診療報酬の実質マイナス改定や、不採算医療になっていることに対する財政措置が削減されてきていることも影響しております。いわき市の場合、不採算部門の繰入金が100%繰り入れされていないという実態もあります。 大きな危機の2つ目は、勤務医の医師不足です。赤字解消は医師と看護師を充足すればほぼ解決すると考えられますが、医師不足は今の現状からすれば厳しい課題です。勤務医不足は共立病院だけではなく、労災病院、松村病院など、市内の病院でも深刻な状況です。医師不足の原因は、研修医制度の改正で大学病院の医師が不足して引き上げられたことによります。しかし、直接の原因は、政府、厚生労働省が医師養成費を減らすために、医師の養成数を抑制したり、地域の医療提供体制を縮小してきたことです。政府は医師の地域的な偏在を認めながらも、医師は足りているとして医師をふやす様子はありません。 そういう中で、地域医療を守るため私たちは何をなすべきでしょうか。これまで、大半の病気はいわき市立病院で治療できていました。ところが、このところ、肺がんの手術ができない、脳腫瘍も、心臓の手術も難しいという事態になっています。現に、私の知人は肺がんの手術を郡山市でやることになりました。また、大きな問題になっているのが、産婦人科医の勤務医不足です。 先日、私のところに相談者が見えました。この方は、共立病院の神経内科に通っていましたが、3人の医師が大学病院に引き上げられるため、他の病院に移ってほしいと紹介状を持たされていました。2件ほどの病院に当たり、ようやく行き先が決まるという状況でした。神経内科には、これまで年間200人から300人が入院していたと聞きますが、医師がいなくなって、どこに行ったらいいのかと多くの人が戸惑っているのではないでしょうか。 市民の多くは、何かあったときは共立へと思っていました。私もそうです。しかし、今、共立病院は、診療科目によっては患者が多く、診てもらえない状況があったり、また、医師不足で診療が制限されたり、これまでにない状態に置かれてきています。その中で、基本方針には、市立病院の役割は高度医療、政策医療を中心とした医療を提供していくと提起されております。 お伺いしますが、このような状況の中で、これらの医療を提供していくための医師の配置など含めて、現状はどうなっているのか伺いたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院のうち、現在、共立病院におきましては、神経内科医がこの9月末で3名退職となる予定であり、また、心臓血管外科は8月から1名体制となるなど、医師不足が生じておりまして、議員お触れになりました高度医療、こうした面の提供が困難な状況となってございます。 一方、高度・政策医療につきましては、本年2月に策定いたしました市立病院改革に係る基本方針におきましても、市立病院の極めて重要な役割の1つとして位置づけておりますことから、厳しい状況にはございますが、今後とも市立病院としての重要な役割が果たせるよう、とりわけ医師の確保に向けまして、以前にも増して努力を重ねてまいりたいと考えております。 ◆22番(高橋明子君) 本当に高度医療、政策医療が厳しい、本当に医師が足りなくて厳しいという今の現状だということですが、私の知るところでは、先生たちが、自分の病院はどうなってしまうのか、そういう不安を募らせていると聞きました。このままですと、高度医療、政策医療どころか、今見ている患者さんを神経内科のように他の病院に紹介する状態になったり、あるいは開業医の先生も共立病院に紹介するということができなくなるのではないかと本当に心配します。やはり今、医師確保のためとおっしゃいましたけれども、昨日も安部議員に答えておりました。この解決策ということは、医師確保しかないとは思うんですけれども、ぜひぜひ福島県に、昨日の6人という形で-6人でしたか、いわき市にぜひという数値を出してくださったのは。そういうことを強く要請していただきたいなと思います。 次の質問ですけれども、市立病院の役割を果たすためにも、地域医療機関との役割や機能の分担、いわゆる病診連携、病病連携の明確化が打ち出されておりますけれども、市は具体的にどう進めようとしているのでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) お尋ねの病診連携につきましては、現在、市立両病院に設置しております地域医療連携室を中心にいたしまして、市内を初め、民間医療機関から私ども市立病院または市立病院間で、患者さんの容体に応じた適切な医療を切れ目なく提供ができるよう、また、転院等が円滑に行われますよう、その連携強化に努めているところであります。 今後につきましては、病院改革の重要な取り組みの1つとしまして、この連携医療機関を拡大していくことや、病院への紹介率、あるいは他の病院への逆紹介率の向上、こういった方面に取り組むなどしまして、この地域医療連携室のさらなる強化・充実に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆22番(高橋明子君) 社団医療法人養生会の理事長中山さんが、ある新聞の取材に次のように答えております。ここ数年、これからの医療がどうなるかという、これまで思ったことのないほどの不安感がある。医療が進歩して、いい医療が提供できるということより、財政的な問題に絞り込まれている。患者の医療費負担が多くなる、病院や診療所は効率性のある適切な医療をどうするかより、自分の問題できゅうきゅうとなっていると述べております。その解決策として、病院同士の特性に重点を置いて機能を集約することが必要だが、リーダーシップを発揮する病院がない。コーディネーターとしてリーダーシップを発揮する病院は共立病院しかないと述べておりますけれども、この提言についてどのようにお考えですか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 私ども市立病院、とりわけ共立病院におきましては、これまでのいわき地域全体の医療環境の中で、議員がお触れになりました中山先生の言をかりるまでもなく、まさにそのような位置づけにあるということは強く認識してございます。さまざまな課題がございますけれども、関係部署と連携しながら、この地域医療全体の水準をいかに保持していき、地域医療を守っていくかという視点に立ちまして、先ほど策定したと申し上げました市立病院改革に係る基本方針の中で位置づけております両病院の役割、すなわち地域医療との連携の中で、市民医療の安定的な供給を図っていくという重要な責任を、今後とも果たせるように努力していきたいと、このような認識を持ってございます。 ◆22番(高橋明子君) 今、共立病院の果たす役割というのを述べられたと思うんですが、やはり日常的にかかりやすい範囲で必要な医療を提供する体制を整えるということは、政治と行政の責務だと思います。その際、既存の病院との協力を密にして、公立病院の整備を進めていくということではないのかなと思うんです。 この前、私たちが視察してきました鹿児島市なんですけれども、こことは全く違うような状況ですけれども、鹿児島大学は急性期、そして市立病院は救急面と、医師会の要請で午前11時までしか診察してだめだよと言われているということで、総合病院が少ないから、病院同士が競合しないようにして頑張っているということを言われておりました。そういう意味から、今後このいわき市も、そういう点で問われていく、本当に市民に安心・安全の医療を提供していくということが強く求められているんじゃないのかなと私は思っております。そういう意味では期待するわけです。 次に移りますが、市民に安全・安心の医療を提供するために、やはり医師の確保が必要だということは先ほどから述べられているわけですが、2年前の新聞でしたけれども、朝日新聞が全国の1,064自治体病院、このときは1,064なんですけれども、アンケートを実施しております。医師の確保が難しいと感じると答えた病院は82%もありました。難しいと回答した病院を地域別に比較すると、東北が93%と断トツでした。いわき市の場合、他市から見ると交通の便が悪いこともネックになっているようです。こうした中で、医師の確保を進めるためには、医師が働きやすい環境を整備していくことが大切だと思います。基本方針でも、職場環境の整備をうたっていますが、医師が定着して働ける職場環境をどうつくろうとしているのか、具体的に示していただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 医師の確保・定着につきましては、市立病院改革に係る基本方針におきまして、医師が働きやすい職場環境の整備や施設整備の充実とあわせまして、給与等の処遇面の対応等についても見直しを図る、こう位置づけておりますことから、これらの方向に沿いまして、それぞれの項目について病院の現状や課題なども十分に踏まえまして、その環境整備に努めながら、医師にとって魅力ある職場づくり、あるいは市立病院に勤務する職員にとっても魅力ある、そうした職場づくりに努めてまいりたいと考えてございます。 ◆22番(高橋明子君) 言葉ではいろいろ言えます。魅力ある職場づくり、医師が定着する、そういう働ける職場環境を具体的にどうしていくのかということが本当に問われると思うんです。例えば、よく言われるのが、研修医の指導医の先生たちです。中堅的な、その中心的役割として病院の中で働いているわけですけれども、その先生たちは第一線でやりながら、そして、研修医の指導とかで保証がないという話も聞いております。そういう点とか、あとは医師の意欲をかき立てるシステムは本当に難しいと思います。それから、それこそ医師が研修できる労働の環境整備、もちろんそれは人間らしい生活ができる、そういう職場環境ということは医師をふやさなければならないということだと思うんですけれども、そういうことで、ぜひ医師が定着して働ける職場環境整備に努力して頑張っていっていただきたいと思います。 また、医師確保のための、私は女性医師が働きやすい環境づくり、そのための条件整備も必要だと考えます。産婦人科医を目指す女性医師がふえていると聞いております。しかし、24、25歳で医師になって、30歳前半で妊娠・出産を迎えて、子育てで一線を退いていく人が大半だと聞いております。私は、女性医師が子育てしながら仕事を続けられる条件の1つに、院内保育所があると思います。これ1つだけでどうのというふうにはならないと思うんですけれども、この院内保育所はとても大切だと思います。共立病院内にある院内保育所は、看護師さん用で午後6時までしかやっておりませんが、思い切って24時間保育を考えてみてはどうでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 院内保育所につきましては、現在、お子さんをお持ちの看護師確保及び看護師の福利厚生等のために、市立2病院に設置しております。お話がございました院内保育所での24時間保育につきましては、まず、保育士の確保や施設整備等さまざまな課題がありますことから、現在、検討を進めております病院改革の中で、女性、男性を問わず、医師や看護師等が働きやすい環境づくりの観点から、ぜひとも検討してまいりたいと考えております。 ◆22番(高橋明子君) 検討の方向だということなので、期待したいと思います。産婦人科医を目指す女性医師がふえているということで、今、産科医が不足する中で、ぜひというふうに思います。日中、女性医師があるいは働いて、だからといって当直、夜の部が別の先生となると、やはりそれも医師をふやさなければならない状況ということにもなるかと思うんですけれども、やはり女性が働ける、そういう病院にしていただきたいなと思います。当然、そういうときは、先ほど述べられましたけれども、今の保育士の身分は職員ではないですね。そういう保育士の身分も保証していかなければならないと思いますが、いかがですか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 院内保育所は、その主たる利用者が看護師であり、夜勤の際には利用しないことなどによりまして、入所人数が日々変動するという利用実態にありますことから、その保育士につきましては、現在、嘱託職員として雇用をしているところであります。また、その処遇につきましては、勤務条件等にかんがみまして、有給休暇の付与等、相応の対応をしているものと認識してございます。 ◆22番(高橋明子君) 次は、患者サービスの充実について伺います。 政府は、患者への負担増や病床削減を進めるため、これ以上医療費がふえたら大変だと宣伝しております。医療費抑制によって切り下げられる医療費の半分は人件費です。そのしわ寄せが看護師にきて、労働強化などで退職するというのはどこの病院でもあるかと思います。私の知っている方は燃え尽き症候群で、もう働きたくないということも言っておりました。今、看護師不足になっているわけですが、安心・安全の確立のためにはこの解決が求められます。いわき市も赤字をなくすため看護師の採用を十分にせず、ベッドをあけてきたわけです。しかし、その結果、勤務医、看護師など医療スタッフの労働条件が悪くなって、やめていく人がふえ、ますます負担がふえるという悪循環になったと思います。今回、看護職員配置の最高基準が18年ぶりに引き上げられて、新たに入院患者7人に看護職員1人の配置基準ができました。 お伺いしますが、この7対1の配置基準は、現在稼働している病床数で計算すると、看護師は何人必要でしょうか、何人になりますか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 共立病院の本年4月1日現在の運用病床数766床に対しまして、お尋ねのございました、いわゆる7対1の看護配置で試算いたしますと、病棟の看護師数は560名となります。 ◆22番(高橋明子君) 766床、これは現在稼働している数ということで、約120ほど動いていないということですけれども、そして看護師の数は560名、この560名にするためには何人補充しなければならない状況になっておりますか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) ただいま試算で申し上げました病棟の看護師数560名と、本年4月1日の現員数458名との比較で申し上げますと、その差は102名となります。 ◆22番(高橋明子君) 102名足りないと考えてよろしいかと思うんですけれども、来年は何人採用する予定になっていますか伺います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 議員御案内とは思いますが、平成19年度の市立病院における看護師の採用予定人数は、32名程度でございます。 ◆22番(高橋明子君) 32名、その差が70になります。いつぞや院長とお会いしたとき、看護師がいればベッドをふさぐこともできて、収益を上げることができるというふうな、もちろん医師も十分であればもっともっと収益を上げることができると思います。 ちょっと古い資料でしたけれども、東大の看護学部とかというところで、看護師が多いところほど入院日数が少なくなるという調査結果が出ておりました。1カ月も違うんです。要するに手厚い看護ができて、早く退院できるという状況があるんだという資料を読ませてもらいました。私は、この7対1の手厚い看護をするという立場に立つならば、今のベッド数からいって70人も少ないということでは、今、いわき市が基本方針を掲げて、市民に安全・安心の医療を提供するということにはまずならないということと、そして、看護師が本当に大変な思いで、呼ばれても、後ろ髪引かれるように、ちょっと待っていてねというあんばいで、その人のところに行かれないような状況をつくってしまうのではないかなと思います。 私は、来年32名採用するということですけれども、この32名、募集しても看護師が集まるかどうか、それも心配されるわけです。今回、もう募集が始まったんでしょうか、どのくらいの募集になっているかはわかりますでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 来年度採用の看護師の募集は締め切ってございますけれども、先ほどの採用予定に対しまして、51名の応募がございました。 ◆22番(高橋明子君) 現在は32名採用するところを51名ということで、全員採用していただければなと思うわけです。 伺いますけれども、今議会でも2007年問題が出されました。看護師の団塊退職の対策はとられているでしょうか伺います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 看護師さんを含めまして、医療資源の効率的、効果的な活用が市立病院事業改革の基本でございます。団塊の世代に属する看護師さんたちの定年による退職年は、平成19年よりももう少し後の時点に来るような状況が現在ございます。したがいまして、現在策定中の病院事業の中期経営計画の中で、看護師の年代別の分布状況と今後の推移、そして診療体制の動向、これらを総合的に勘案しながら、看護師体制に不足が生じないよう最善の注意を払って対処してまいりたいと考えてございます。したがいまして、その退職対策につきましても、看護職全体の年齢構成の平準化でありますとか、診療体制との兼ね合いに十分注意して対処してまいりたいと考えてございます。 ◆22番(高橋明子君) 平成19年後ということをおっしゃっていましたけれども、これは本当に多く退職されると、今から対策をとっていないと大変なことになるんじゃないかなと思います。ぜひ、計画的な進め方をしていっていただきたいと思います。 次の質問は、メディカルソーシャルワーカーによる相談体制強化についてです。 私は、医療の相談をよく受けます。入院費が払えないという相談が一番多くなっています。共立病院ならば、すぐソーシャルワーカーの人に相談します。しかし、いつ行っても忙しく動いております。共立病院のソーシャルワーカーは現在3人で、1人は産休で休んでおります。かしま病院は、入院ベッド263床でソーシャルワーカーが5人配置され、4人は社会福祉士の資格を持っています。つまり専門職です。かしま病院のスタッフはそれぞれ病棟担当があり、ミーティングにも参加して、きめ細かな相談ができているということです。 共立病院では、相談体制の強化を図るという方針にありますが、具体的にはどのような方向で考えておりますか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) メディカルソーシャルワーカーは、医療機関において患者さんが抱えている経済的・心理的・社会的諸問題解決の援助を行う福祉の専門職でありまして、地域医療機関との緊密な医療連携体制の構築などの患者サービスの向上、あるいは、今お触れになりました未収金の発生防止などの病院経営の両面において、極めて重要な役割を果たすものと認識してございます。 したがいまして、この相談体制の強化につきましては、その人的配置や組織的な位置づけ等につきまして、現在進めてございます改革取り組みの中で、今後の相談件数の推移や相談の内容などを勘案しながら、検討してまいりたいと考えてございます。 ◆22番(高橋明子君) 人に親切ないわき市、優しい、そして人の痛みがわかるいわき市、いろいろなキャッチフレーズがあってもいいかと思うんですけれども、私はこのメディカルソーシャルワーカー、例えば医療費の問題ですが、入院してすぐ相談体制に入れば、生活保護を受けるとき、その日に申請すればその日から医療費のことを心配しなくてもいいんです。それがわからないで、何日もたってそろそろ退院のとき、私はお金がないんですよというと、そこから生活保護を申請しても医療費が払えない状態になってしまうということもありますね。ですから、このメディカルソーシャルワーカーというのは、この共立病院にとっては絶対5人は最低必要なんです。それも専門職的に。異動がありますね、一生懸命教えて、わかったなと思うと異動されてしまうんです。そうじゃなく、やはり、ここでじっくり市民の大変さを受けとめながら、相談に乗って解決するという体制をつくっていただきたいと思います。 最後の質問です。市立病院の安定した経営基盤の確立についてです。 市立病院は、地方公営企業法の全部適用へ移行する方針が示されました。伺います。市は、全適の最大メリットを何だと考えておりますか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 地方公営企業法の全部適用の最大のメリットは、いわゆる事業管理者を設置することによりまして、人事・組織・財務等、経営に関する権限が強化されまして、その経営責任が明確化することにより、機動的で弾力的な病院経営体制の確立が図られますとともに、病院の職員の企業意識の高揚などが期待できることにあると考えております。 ◆22番(高橋明子君) 管理者を置くということで、安定した経営基盤の確立が図られるであろうということです。基本方針は、地域完結型の医療を実現して、市民だれもが安心してかかれる医療をすることを市民に確約するという内容のものだと思います。しかし、今の医師不足の状況で、これらのことが市民に約束できるのでしょうか。管理者を置いたからといって約束できる状況でしょうか。難しいと思います。 これまで、市立病院は赤字体質ばかりが言及されてまいりました。収益に占める人件費が高いということで、看護師が増員されず、結果としてベッドが稼働せず、収益が上がりませんでした。しかし、そういう厳しい中で、共立病院は、平成17年度予算額に対して医業収益は増額です。そして、労働生産性も増加し、職員が頑張っている状況が見られます。しかし、残念なことに電算業務の委託料の増加で損失計上になったわけですけれども、視察した鹿児島市立病院の院長は、全適は万能ではない、やはりそこで働く人が大事だと述べておりました。私は、医師も看護師も人間らしく生活をし、責任を持って仕事ができる労働環境が今求められていると思います。それでもって、市民だれもが安心してかかれる医療の提供ができると考えております。私の思いを込めて、これをもちまして質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後3時5分まで休憩いたします。            午後2時56分 休憩           ------------            午後3時05分 開議 △小野茂君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、本日の会議時間は議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。 8番小野茂君。          〔8番小野 茂君第二演壇に登壇〕 ◆8番(小野茂君) (拍手)8番公明党の小野茂です。通告に従いまして質問を行います。 先般、夕張市の財政破綻が報じられました。炭鉱のまちとして栄えていたかつての夕張市には12万人が住んでいましたが、現在は10分の1にまで落ち込んで、市の財政は厳しくなる一方でした。しかし、決算上は黒字だったため、多くの夕張市民にとって、再建団体への申請は寝耳に水だったと言われています。そんな影響から、全国の各地方自治体への財政に対する不安感が広がっております。一方、福島県内61市町村長へのアンケート調査では、56人が財政に不安を感じていることが報道機関の調査で発表されました。税収や地方交付税の減少が最大の要因としております。このような調査の結果を受け、身近な自治体の財政状態にますます関心が高まっており、本市財政状態についても市民の関心が高まっているところであります。市民の皆様からは、大丈夫なんですかという声が寄せられております。今後、夕張市のような隠れ借金を防ぐためには、決算制度の改革が必要であり、現行制度を民間企業と同様に、公社など外郭団体との連結決算に改め、透明性を高めるよう、決算内容を住民に公開することや、外部監査の拡大についても検討が求められるものと考えております。 そこで、行財政改革についてであります。 総務省から、さらなる行財政改革の推進の通達も出される中、本市行財政改革大綱では、行政経営手法の確立、コスト意識の向上、成果重視の行政経営の視点を持って推進するとあります。そこで、昨年10月議会に質問しました普通会計、特別会計、第三セクターも含めた連結バランスシートの導入について、その後の検討を伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 連結バランスシートにつきましては、都道府県及び政令市に対しまして、昨年9月に総務省から試行モデルが示され、作成、公表を求めているものでございますけれども、本市を含みます中核市、それから、その他の市町村には現段階では何も示されていない状況にあります。 本市におきましては、これまで水道や病院などの公営企業会計を含めました市全体のバランスシートを作成、公表しており、また、市が50%以上の出資をしている第三セクターなどの外郭団体につきましては、それぞれバランスシート等を作成し、議会に提出しているところでございまして、これらの資料により、外郭団体を含めた本市の財務状況が概括できるものと考えております。しかしながら、現状におきましては一覧して理解できるものという形にはなっておりませんので、おただしの連結バランスシートにつきましては、総務省から作成要領などが示された段階で、作成に向けた検討をしてまいりたいと考えてございます。 ◆8番(小野茂君) やはり、市全体の財政状態を明らかにするという世論が高まっている中で、市民に対して明示すべきと考えております。 次に、戦後長く続いた高度成長を基調とした時代が終えんを迎えた今日、行政に求められるものは、限られた財源や人的資源をいかに的確に配分するかということであります。限られた経営資源を効率的かつ効果的に活用していくためには、戦略的に判断して経営していくことが必要となります。また、市民は、納税者として、またパートナーとして、行政運営のあり方や施策の方向性、事業の効率性などに対して厳しい目を向けるようになってきており、行政情報のさらなる公開と共有化を求めてきております。こうした時代の趨勢は今後ますます強くなると考えられ、行政はみずからの行政運営について説明責任をなお一層果たしていく必要があると考えます。 公会計制度は、明治22年に単式簿記、現金主義会計が導入されて以来、100年以上にわたって抜本的改革が行われないまま、現在に至っております。この方式では、資産や負債などのストック情報や、金利や減価償却費などの行政サービスの提供に要した正確なコスト情報が把握できないと指摘されております。これまでは予算を執行管理し、その結果を決算書として整理することで進んできたところでありますが、財政危機を背景とした行財政の効率化や世代間の公平の確保が、政治的に強く要請されるようになってきたところであります。現行会計制度の見直しを進める自治体も出てきておるところであります。 そこで、発生主義、複式主義に基づく会計方式の導入について、本市の見解を伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 現行の会計方式は、議員御指摘のとおり、現金主義・単式主義に基づくものでございまして、資産形成の状況などを分析するためには適していないという面がありまして、これを補うため、発生主義・複式主義に基づく会計方式は有効であると考えてございます。このため、本市におきましては、平成11年度の決算から普通会計バランスシート、それから、平成13年度の決算からは、普通会計に水道や病院などの公営企業会計を含めました市全体のバランスシートなどを作成し、公表しており、これにより、財政状況を多面的に、そして、よりわかりやすい形で示すことができるように努めているところでございます。 ◆8番(小野茂君) 全国的に財政が厳しい中で、一体自分のところの財政はどうなのかということで、非常に先進的な考え方を持つ自治体があります。その中に、東京都が会計制度改革を進める中で、基本的な考え方と今後の方向ということで報告した書類があります。その中では、現行官庁会計いわゆる現金主義・単式簿記会計については4つの欠如があると指摘しております。4つ並べる必要はないと思いますが、特にストック情報の欠如やコスト情報の欠如ということで、そういう欠如を補うためには、今既に海外では複式簿記、発生主義会計の導入が積極的に進められております。それは、財務諸表が財政改革のツールとされているところであります。現行の会計制度では、現金以外の資産情報の管理、正確な実施コストの認識など、行財政運営に必要な会計情報がきちんと報告されない、そのために事業評価や意思決定上、公平を欠いた資源配分をもたらす可能性や、正確な費用対効果分析などを行うための客観的な情報が得られない偏りがあります。 NPMいわゆるニューパブリックマネジメント、あるいは顧客主義等を考えた場合、市民に対してさらなる説明責任、決算データの分析数値が事業評価や予算などの意思決定に生かされることで、その上で自治体経営の視点を確立していかなければならないと考えます。そのためのツールとして、今回、私が提案している公会計システム改革ということで、発生主義・複式主義に基づく会計方式の導入が必要と考えるわけであります。 そういう意味で、次に伺いますが、事業別財務諸表の作成について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) おただしの事業別財務諸表でございますが、東京都が今取り組んでいるということでございます。都のホームページによりますと、平成18年度の決算から作成ができるように今準備を進めているということでございますが、現時点において、その事業別財務諸表の定義自体がまだ明確化されていないこと、また、国からそのような作成基準が示されていないこと。東京都はかなり独自といいますか、かなり大きな財政規模でございますので、東京都独自の取り組みにとどまっていること、ほかの自治体ではまだそこまでちょっと進んでいないという状況でございますので、事業別財務諸表の作成という点では明確なお答えはできませんけれども、今後、そのような先進的な取り組みを参考にいたしまして、それらを導入する効果等について十分検討してまいりたいと考えてございます。 ◆8番(小野茂君) しっかりと検討していただきたいと思います。これは、恐らく今後そういう方向に流れていくと考えます。 本市では、単式簿記・現金主義会計による普通会計決算を作成した後に、そのデータを組みかえることによって財務諸表を作成しております。平成16年度のものが平成18年に発表されるということで、約1年後に出てくると、こういう手法ではその時期になってしまうんでしょうけれども、これからはやっぱり、そういう資料が次の年度の予算に反映されるような取り扱いをしていかなければいけないんじゃないかと考えます。また、今やっていることにつきまして、一部の固定資産の残高が把握できなかったり、今言われたような事業別の財務諸表の作成ができないというところで、戦略的な経営手法に立って今後運営していく上で、その手法がとれないというところから、この方式に限界があると考えます。したがって、複式簿記・発生主義会計の導入がやはり重要になってくると考えるわけであります。しかしながら、今行っている決算書、総務省の基準で定めているそのものもやっぱりつくらなくてはいけないということで、つくる側としてみれば二度手間になってしまうわけですね。かなり時間がかかるということで、1年ちょっとくらいかかってしまうという現状があります。 しかし、この二度手間を防ぐ会計処理が開発されまして、そういうソフトももう開発されていると聞き及んでおります。そんなところから、公益法人会計基準のフロー式のソフトを活用して会計処理をシステム化すべきであると考えますが、見解を伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 現在、東京都が進めております会計処理のシステム化ということになろうかと思いますが、決算と同時に財務諸表を出力することを目的としているところでございます。これに対しまして、本市における財務諸表は、先ほど来お話がございますが、決算の確定後、中核市との比較・分析を行った上で、さらにその約半年後に公表しているということで時間がかかっているということでございますが、公益法人会計基準のソフトを活用した会計処理のシステム化ということにつきましては、その開発コストや導入効果につきまして、さらに検証していかなければいけないということもございます。また、本市におきます現行の財務会計システムというもの自体が平成17年度に更新されて間もないということもございまして、それにつきましても今後、先進事例を参考に研究をさせていただきたいと考えてございます。 ◆8番(小野茂君) 東京都ではそういう取り組みを進めていまして、その内容からして、財務省の方でも研究に値するということで、その研究が始まっているという話ですが、東京都の方では、聞くところによりますと、そういう積極的に取り組んでいこうという姿勢のある自治体には、無償でそういう情報を提供しているというお話も伺っております。そういう意味では、今後こういう新たな会計制度を用いて、行財政改革に取り組み、また、自治体経営の視点を確立する、そして、市民に対する説明責任を一層果たす、その上で市民サービスの充実を図っていくということが非常に大事な視点になってくると思います。そのためのツールとして、こういう方法があります。そういう意味で、今後、その東京都の方もありますが、独自で今行っていることも含めて検討されて、より健全で、また、より効果的な取り組みに資していただきたいと考えております。その点につきまして、見解を伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) お答えいたします。先ほど議員おただしのとおり、財務の状況を住民の方に広くわかりやすく説明して、わかっていただくということは何よりも大事なことだと思いますので、全国各地で取り組まれている事例、それから、総務省や国の動向なども踏まえまして、取り入れられるものはどんどん積極的に取り入れて、財務状況を市民の方にできるだけわかっていただくという努力を、引き続き続けていきたいと考えてございます。 ◆8番(小野茂君) そのとおりなんですけれども、それだけはなくて、予算、次の施策にそういうものを当てていくという視点もしっかり持っていただきたいと思いますが、その点につきましてはどうでしょうか。 ◎財政部長(陸川克己君) いろいろな手法がまだ確立されていない、全国的にも試行しているという状況でございます。その決算のデータ、過去の状況等の分析、それらは予算にも当然反映されるべきものでございますので、それらについてもそのような姿勢で取り組んでいきたいと考えてございます。 ◆8番(小野茂君) それでは、市長にお伺いしたいんですが、今のような新導入につきまして、市長の見解を伺いたいと思います。 ◎市長(櫛田一男君) ただいま議員おただしの件でありますが、現時点では東京都だけが取り入れているという仕儀でありますけれども、財政部長答弁の研究をしてまいりたいという答弁のとおりでありますので、これからはその検討を、トータルで含めながら検討をしてまいりたいと思っております。 ◆8番(小野茂君) どうぞ、しっかりと研究していただいて、すばらしい市政運営を行っていただきたいと考えております。 次に、医療保険施策についてであります。 現在、年間の国民の医療費は約31兆円にもなっているそうであります。そのうち、約2割、6兆円が薬剤費であります。これは世界の中でも非常に高い比率であり、厚生労働省の試算では、2025年には医療費は約69兆円に、このうちの薬剤費は約14兆円になると言われております。もし、この試算どおりになったとしたら、国民皆保険制度は崩壊すると言われております。 医薬品のうち、新しい効能や効果を有し、臨床試験、いわゆる治験等によって有効性や安全性が確認された医薬品が先発医薬品で、先発医薬品の特許が消えた後、先発医薬品と科学的同等性、治療的同等性が承認された医薬品が後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品と言われております。医療機関等での保険診療に用いられる医療用医薬品は1万種類以上ありますが、本年3月1日現在では6,006品種が後発医薬品と登録されております。後発医薬品の価格は高くても新薬の70%、物によっては15%程度であります。開発のコストがかからない分、安い価格になっております。しかも、錠剤工夫がされており飲みやすいなど、付加価値があるものもあります。溶質試験、血中濃度試験の2本立てで試験が行われておりますが、これは日本の厚生労働省だけが要求している試験であり、日本の後発医薬品は世界で最も厳しい基準のもので承認されていると言われております。極端な話、1年間の薬剤費を後発医薬品に切りかえれば、約1兆1,000億円医療費が安くなると試算されております。 そこで、国民健康保険事業の保険者である本市の、市民の医療費の負担を軽減する施策としての、後発医薬品の普及促進の考えを伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 患者に処方する薬品の選択は、医師がその責任において患者の病状等を勘案し、最適と思われる薬品を処方するものでございます。ジェネリック医薬品につきましては、先発品と主成分は同じでありますが、その効能やきき方などには微妙な違いがあることもあると言われているほか、製造元が小規模な業者で安定した提供ができないこともあると言われております。さらには、治験のデータ等が不足しがちという指摘もあり、臨床の現場ではその処方に慎重な医師も多い状況となっていることから、経費の面からだけの理由で行政が推奨することには問題があると考えております。 しかしながら、ジェネリック医薬品の存在すら知らない市民も少なくないと思われますことから、その特徴や制度についての周知につきましては、健康だよりなどの広報媒体を通して実施してまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) それでは、市立病院での取り組みについて伺います。市民の医療費の負担を少しでも抑制できる施策として、市立病院が積極的にジェネリック医薬品の普及に取り組み、データの収集や安全性の検証がなされたジェネリック医薬品の利用リストなどを作成するなど利用促進を図ることで、その取り組みが全市的に広がれば、市民の皆さんの医療費負担を軽減することになると考えますが、それはいかがでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院におけるジェネリック医薬品の取り扱いについてでありますが、その採用の面につきましては、安全性や有効性等について、まずは各診療科が第一次的な判断を行い、最終的には院内の薬事委員会での審議を経て決定しております。また、患者さんへの処方及び投薬につきましては、本年4月よりジェネリック医薬品の使用促進のための環境整備が図られましたことから、患者さんの意思表示に基づき、医師がその適合性を勘案し、処方しております。 今後、ジェネリック医薬品の取り扱いにつきましては、市民の健康を守ることを基本とするとともに、お話がありました患者負担軽減等も考慮いたしまして、その安全性等が確認できるものにつきましては、患者さんの意思を尊重して適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) 適切にやるということなんですけれども、では、今現在どのくらい利用されているのか伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 市内全体という形になりますと、統計をとってございませんので、申しわけございませんが、把握してございません。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 共立病院におきましては、現時点で、入院分で約4.3%、外来分につきましては約4.2%となっております。また、常磐病院におきましては、入院分で約6.4%、外来分で約6.3%という状況でございまして、本年4月から7月末までの使用実績に基づく品目の割合でございます。 ◆8番(小野茂君) どうか、その点につきましては研究されまして、さらに効果が上がる方向で検討していただきたいと要望させていただきます。 次に、保険事業者としての見解を伺います。 ◎市民生活部長(荒川喜一君) ジェネリック医薬品につきましては、新薬に比べ低価格で提供されますことから、患者負担が軽減されるとともに、医療費の抑制に寄与するというメリットを有しております。ジェネリック医薬品の使用につきましては、医師の判断を伴うという面もありますが、これらを踏まえながら、被保険者に対して制度の周知を図っていく必要があると考えております。 ◆8番(小野茂君) しっかりと周知の方を図っていただきまして、その促進に取り組んでいただきたいと思います。 次に、安心安全のまちづくりについてであります。 ことしも、台風や長梅雨による豪雨災害が全国で相次ぎました。地域の潜在化する人的な防災・防犯力をどう引き出していくか、地域防災計画には、地域ぐるみの防災体制について、地域コミュニティーの現状を踏まえ、行政と市民の協力による防災体制の整備を推進すると定めております。その支援事業とも言うべき地域安心安全ステーション整備モデル事業があります。本市も積極的にこの事業を取り入れることが、地域の防犯・防災力を向上させる重要な施策と思います。昨年2月の議会でも導入検討をお聞きいたしましたが、その後の見解を伺います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 消防庁所管の地域安心安全ステーション整備モデル事業の実施に当たりましては、平成17年度から、警察庁所管の防犯に関する地域安全安心ステーションモデル事業、消防庁と違うのは名称で、消防庁が安心安全でありますけれども、警察庁は安全安心と逆になってございますけれども、このモデル事業が実施されますことから、類似するこれらの事業の実施に当たりましては、可能な範囲で調整されたい旨の消防庁通知が県に対してなされたところでございます。それで、現在、いわき市では小名浜地区の泉ヶ丘防犯パトロール隊と常磐地区の松が台防犯湯けむり隊が、警察庁所管のモデル事業を実施しておりますことから、類似の事業であります消防庁所管の事業の導入については難しいと考えてございます。 ◆8番(小野茂君) その事業の導入については既にやられているというところもありますが、その取り組みの内容として、地域のコミュニティーを活用して、防災・防犯に取り組む組織を再編成していくという考え方についてはどうでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) これら国で実施しておりますモデル事業につきましては、その実施の結果につきまして各地方自治体に公表するということになってございます。これは、その実施結果をもとにして各自治体でも参考に導入してはということで公表するということになっていると思いますけれども、国におきましては、この事業が、小さな自主防災組織だけではなかなかその目的を達成するのが困難であろうということから、自主防災組織が連携して防災に当たるということで、このモデル事業が推進されているということでございますので、その防災が十全になされるということは大切なことでございますので、この実施結果等を参考にしながら、検討してまいりたいと考えてございます。 ◆8番(小野茂君) 十分検討していただきたいと思います。 次に、児童・生徒の安全対策についてであります。 監視力を向上させる1つの施策として、2月の議会でも質問いたしましたが、防犯ステッカーを活用し、公用車、郵便集配車、警察との連携を図るとのことでしたが、その進捗状況につきまして伺います。 ◎市民生活部長(荒川喜一君) 公用車への防犯ステッカー貼付につきましては、防犯に効果がありますことから、現在、ステッカーの作成作業に当たっておりますとともに、公用車を運転中に危険だと思う場所や事案を目にしたときの対応手順の策定にも取り組んでいるところであります。また、郵便集配車への防犯ステッカー貼付につきましては、市、郵便局、警察署の三者で協定を締結して実施いたしますことから、それぞれの役割につきまして協定書に定める事項や集配車の車種ごとのステッカーの規格、さらには図柄等について協議をしているところでございます。 いずれの活動につきましても、可能な限り、早期に実施できますよう、作業を進めてまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) それは、いつごろを目途にして考えているんでしょうか。 ◎市民生活部長(荒川喜一君) ただいま申し上げましたステッカーの作成、それから、郵便局との協定には少し時間がかかりますが、できるだけ早い時期に作成をいたしまして、防犯活動につなげてまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) 次に、昨日も木田議員からAEDについての質問がありましたが、重複する点もあると思いますが、重要なことでありますので、私からも伺いたいと思います。 小学校、中学校のAEDの設置についてであります。日本の心臓震盪から子供を救う会では、心臓震盪は、それまで元気な子供にも突然起こり得ると。例えば、軟式ボールが当たるだけという軽い衝撃でも死亡することがあると。そういうところから、AEDを現場で使用することが重要なんです。そういうことを皆さんに知ってもらいたいと。先ほどまで元気に遊んでいた、あるいはスポーツをしていた子供が、ボールが胸にぶつかったくらいで死んでしまうことがあるんですと。その心臓震盪の理解を求めております。また、8歳未満、体重25キログラム以下の小児についてもその使用が認められましたことから、学校管理下の心臓突然死から子供を守るためには、AED設置が最優先課題だと考えます。どの生徒についても、心臓震盪は起こり得る可能性があると思います。 そこで、小学校、中学校へのAED設置について御所見を伺います。 ◎教育部長(山田満君) 小・中学校は、児童・生徒が1日の大半を過ごす場であり、また、体の成長をはぐくむための活動も行われております。特に、中学校におきましては、スポーツ活動が活発になりますことから、不測の事態に対応するためAEDの設置が有効であると認識しております。教育委員会といたしましては、市の設置方針との整合を図りながら、設置に向け検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) どうぞよろしくお願いしたいと思います。また、講習会などで、この心臓震盪について周知願いたいということを合わせて要望させていただきます。 次に、脱法ドラッグについてであります。昨今、首都圏を中心に、非行、犯罪に象徴されるものの1つは薬物及び脱法ドラッグの現状であります。近年、青少年の間で浸透している薬物及び脱法ドラッグについて、法律の網にかからない脱法ドラッグは、インターネットなどで簡単に手に入れることができるという深刻な状態が広がっております。 この脱法ドラッグに対しまして、現状認識はどのようなのか伺います。 ◎教育部長(山田満君) 市内小・中学生の脱法ドラッグによる補導の報告はございませんが、販売そのものを規制することが現在では困難なものでありますので、児童・生徒には、健康教育や薬物乱用防止の観点から、継続的に指導していくことが大切であると認識しております。 ◆8番(小野茂君) そういう意味では、どのような対策を行っているのか伺います。 ◎教育部長(山田満君) 現在、小・中学校において、教員を対象とした薬物乱用防止リーダー養成講習会、児童・生徒を対象とした保健所との連携による薬物乱用防止教室を開催しているところであります。また、家庭における指導も重要でありますので、小学校6年生及びその保護者には、厚生労働省発行の冊子、薬物乱用はダメ。ゼッタイ。を配布し、また、中学生及びその保護者には、MDMA・大麻はダメ。ゼッタイ。を配布し、薬物乱用防止の啓発に努めております。今後につきましても、社会現象を注視しながら、適時適切な対応を講じてまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) これは、その後の薬物にもつながるようなことになりかねないと思いますので、しっかりとその対応策を進めていただきたいと思います。 次に、総合的な学習の時間の活用についてであります。 児童・生徒に対する防犯活動に関心が高まる中で、8月に起きた高校1年生の長男が友人と共謀して母親を殺害した事件や、工業専門学校生が学校の研究室で殺害されるような事件、小学校では教室で友達をナイフで刺すという想像もしない事件が立て続けに起こっております。心を育てる教育は、学校だけの教育ではなし得ない課題であります。家庭、地域など、すべての大人がかかわっていかなくてはできない、地域の教育力が問われるような課題であります。今回の事件につきまして、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(砂子田敦博君) ただいま議員御指摘のとおり、昨今、児童・生徒に係る心を痛める時間が続発いたしております。このような事件は決してあってはならないことであり、まことに残念であり、同時に憂慮にたえないところでございます。本市におきましては、かかる事態が発生することのないよう、あらゆる機会をとらえ、児童・生徒に対し、命を大切にする心や自制心をはぐくむ指導を徹底するよう指導いたしておりますが、さらに、きめ細かな指導を展開してまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) それでは、そういう施策の展開に、総合的な学習の時間は活用できないのか伺います。 ◎教育長(砂子田敦博君) ただいま申し上げました思いやりの心をはぐくむとともに、命の大切さや、あるいは人間愛を培うために、各小・中学校におきましては、総合的な学習の時間におきまして介護体験学習あるいは福祉体験学習を取り入れているところであります。さらに、豊かな心をはぐくむ道徳教育あるいは総合的な学習の時間に学んだ命の大切さや人間愛を結びつけ、児童・生徒の自制心や判断力を高め、豊かな心を醸成するように努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) 子供は未来からの使者であるとも言われております。どうか、より細かに、また、いろいろな機会を通しながら心の醸成に取り組んでいただきたいと念願しまして、私の質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後3時55分まで休憩いたします。            午後3時46分 休憩           ------------            午後3時55分 開議 △古市三久君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番古市三久君。          〔19番古市三久君第二演壇に登壇〕
    ◆19番(古市三久君) (拍手)創和会の古市三久であります。ただいまから一般質問をいたします。 一昨日から、地域医療の問題についていろいろ論戦を聞いておりましたが、改めて本市の危機的な地域医療体制について認識をしたということでございます。さらに、大変困難な問題だということについても認識をしたところでございます。しかしながら、困難な問題であっても、市民生活を考えた場合、解決をしなければならないし、本市にある医療機関等の資源を有効かつ効果的に活用する中で、ベストの市民サービスを提供できる体制をつくることだと思っております。そのために市は何をするのか、何ができるのかということだと思います。重複する点もございますが、私の視点で質問いたしますので、よろしくお願いしたいと思います。 医師の70%は勤務医と言われておりまして、その勤務医の実態は、医師不足も相まって、非常に過酷な勤務条件だと言われております。保健所によれば、市内一般病床を有する19病院の常勤医師数は、平成14年320名、平成16年312名、平成18年8月31日284名というふうに減少の一途ということでございまして、一番減少の多い科目は内科ということになっているようでございます。共立・常磐病院も医師不足が深刻で、診療制限など、機能の喪失が懸念されるような実態にもあるのではないかと思います。そういう意味で、地域医療提供体制には大きな影響が出ていると思います。医師不足の、本市全体の医療提供体制への影響をどのように認識されているのかお伺いしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 医師不足の問題は全国的な傾向となっており、本市においても市内病院の勤務医については減少傾向にあり、診療科目の廃止・休止や診療対象を限定するなどの医療提供体制の縮小を余儀なくされている病院も出てきており、このような状況が続けば、安定した医療の提供に少なからず影響が出るおそれがあり、深刻な問題であると認識しております。 ◆19番(古市三久君) そういう実態については、これまでいろいろ答弁をされました。そこで、地域医療体制を再構築することが今求められていると思うんです。そこで、市の役割ということになってくるかと思うんですが、先ほど共立病院の中に地域医療連携室があるということでございましたが、私はそれでは非常に弱いんではないかと思うんです。これに取り組む専門的なチームといいますか、そういうセクションをつくっていただいて危機管理をすると。当面、医師が不足するのは5年とか、あるいは医師が一人前になるのは10年ということを言われておりますので、しばらくの間そうした実態があるかと思うんですけれども、例えば、保健所等の中にそうした医師会、病院協議会、市立病院部、こういうところと連携を密にしながら、医師不足といいますか、いわき市の医療圏について、どのように医師不足をカバーしながら市民の安全・安心を担保していくのかということについて、きっちり対応するセクションが必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 確かに、これまでの地域医療を考える行政のセクションといいますと、現在、保健所になっているわけですけれども、保健所の役割といたしますと許認可とか薬局の開設とか、あとは医療監視とか、どちらかというとそういう行政に比重がありまして、今、こうやって騒がれている地域医療の問題に真っ向から取り組むというセクションがあったわけではないということもございます。議員おただしの点も含めまして、今後、十分検討してまいりたいと考えております。 ◆19番(古市三久君) 私も、保健所の方々といろいろお話をしました。うちも忙しくて、なかなかそういうことはできないと、どこか違うところでやってもらえないかというのが本音だと思うんです。しかしながら、こうした非常に危機的な状況を打開する、与えられた資源の中で、その資源を活用して市民の安心・安全をどう担保するのか、こういうことについてはやっぱりしっかりとやっていかなければならないし、それはやっぱり市の役割だと思うんです。そういう意味で、どういうセクションなのか、どこか違うところに任務を与えるのかは別にしても、そういうところをしっかりとやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 2つ目の問題ですが、先日も医師の待遇改善の話がございました。八戸市立市民病院も、ことしの4月から医師の待遇改善をいたしました。これは、いろいろな手当をいろいろ変えたようでございますが、いわき市の医療体制といいますか、共立病院等の待遇等についていろいろお話を聞きますと、特に、ここは僻地だと、なかなかここに希望して来る医者がいない、大変厳しい状況だということだと思うんです。ですから、そういう待遇改善をやっぱりしっかりと当面やっていく必要があるんではないかと思うんです。 さらに、いろいろ建前だけではだめなわけです。だから、裏づけとなる財源が私は必要だと思うんです。ですから、これは政治的な判断だと思いますので、市長からぜひ答弁いただきたいと思うんですが、医師確保の基金といいますか、どういうところから財源の手当てをするのかは別にして、自由に院長も使える、それから医師確保のために使えるお金をやっぱり確保するといいますか、手当てするということが必要なのではないかと思いますがいかがでしょうか。 ◎市長(櫛田一男君) 大変核心をついたおただしでありますけれども、医者を確保するための、いわゆる待遇改善の問題、これは賃金ベースだけでは決してはかることのできない部分も、お医者さんの世界にはあるわけであります。これは、研究機関への距離感の問題でありますとか、それから、こういうことはどうでしょうか、余り議場では言えないんですかね、奥さんが、どうしてもここは文化のレベルが低いからあそこには行きたくない、亭主をつっつくということも承っております。それから、当然、住宅環境も、これがドクターの住む家かと言われるくらい老朽化していると。トータルで考えないといけないくらい、今、問題が山積しております。 そんな中で、議員おただしの給与体系の部分でも、これは重要な問題になってまいりますので、これも考えなければいけないわけでありますが、市立病院は、御存じのとおり地方公務員法に縛りのかかる給与体系であります。この何等級、何号俸の給与体系の中で、これをどういう形で打開をするかといった問題が出てまいりましたときに、先ほど市立病院部長の答弁にありましたように、病院事業管理者制を導入して全適を行うことによって、それらをクリアすることができるという道筋であります。したがいまして、そういうこともトータルで考えないといけないときに今来ているわけでありますから、議員おただしの単純に給与体系を直すための基金を、あるいはその原資をどこに求めるかという、その問題についてはこれから検討課題にしていきたいと思っております。 ◆19番(古市三久君) 私もそういうトータル的な問題があって、なかなかいわき市に医師が来ないということは多くの方々から聞いております。ですから、そういうトータル的な問題を解決をしていくということも含めて、基金なのか何なのかは別にしても、そうした財源的な手当ては必ず必要になってくるのではないかと思いますので、その辺についてはお願いしておきたいと思います。 それから、ここまでくると、病院改革といいますか、全適がいいのかどうかということについても、これは大いに議論のあるところだと思うんです。ですから、改革というよりも、むしろ医師をどうやって確保して、いわき市の地域医療提供体制をどう確保するか、そういうことが今迫られていると思いますので、そういうことをやっぱり優先しながらやっていく必要があるのではないかと思いますので、その辺についても十分御検討いただきたいと思います。 それから、救急体制の問題ですが、医師不足の問題は救急現場にも大きな影を落としているわけですね。特に、2次救急体制、全国的にも輪番制からの離脱ということがあります。本市は18病院の輪番制を実施しているわけですが、救急隊が搬送する病院を確保するのに四苦八苦をしているというお話も聞きます。医師不足により、以前より体制が弱体化しているという病院もあると思うんです。したがって、改めて、こうした見直しを含めた新たな体制の確立が急務だと思いますが、この辺についての御見解はいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在の本市の救急医療体制につきましては、市内医療機関の協力を得て実施している在宅当番医制度や、休日夜間急病診療所による初期救急医療、病院群輪番制による2次救急医療、救命救急センターによる3次救急医療という役割分担により対応しております。その中で、救急搬送による受け入れにつきましては、主に2次救急を担う病院群輪番制で対応して実施しております。 救急患者を迅速に、かつ円滑に受け入れるためには、患者を受け入れる病院側の体制が整備されていることが大変重要となりますが、中には医師不足等により夜間救急体制における医師の確保が難しくなっている医療機関もあるように聞いております。本市としましても、深刻な医師不足の状況を踏まえ、各医療機関や医師会、病院協議会等と情報交換や協議を行う機会を設け、さらなる協力を要請するとともに、可能な対応策について調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆19番(古市三久君) ぜひ、調査・研究するといいますか、問題点は何かと、何を解決することが必要なのかということを早急に洗い出して、解決していただきたいと思います。医師の不足、共立病院、常磐病院の体制の問題、こういう深刻な状況の中で議長にお願いをしたいと思うんですが、議会として、共立病院と常磐病院の院長先生の話などを聞く機会等もやっぱり必要なんではないかと思うんです。ですから、ぜひ率直に意見交換ができるような場を、議長の御判断の中で、できるんであればぜひお願いをしておきたいと思います。 それから、救急体制の問題で、救急救命士の増員といいますか、こういうことも救急体制の強化という意味でぜひ必要だと思いますが、その辺の御見解はいかがでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 救急救命士につきましては、傷病者に対し、病院に到着するまでの間、医師の具体的、包括的指示のもとで救急救命処置ができる資格を有する隊員でありまして、本市におきましては、平成4年から資格者の養成を行っているところでございます。救急救命士の養成、配置につきましては、これまで市街地の救急隊7隊へ常時1名を乗車させることを目標に養成を行い、職員採用時に資格を有しておりました2名を含めて、現在30名を配置しておるところでありますが、今後は、中山間地域等を含めたすべての救急隊へ救急救命士が配置可能となるよう養成してまいりたいと考えております。 ◆19番(古市三久君) ぜひ、よろしくお願いをしたいと思います。 次、2つ目の質問に入りますが、食と農業についてですが、さきの国会において、農政の大転換と言われる農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律、いわゆる担い手経営安定新法が可決成立いたしました。この法律の目的は食料の安定供給の確保となっておりますが、食糧自給率を45%、目標年次を5年先送りしました。WTOの縛りはあるにしても、日本の農業が壊滅的であって、建て直しには自信がないということを政府が表明したということではないかと私は思います。 くしくも、本市においては第2期新農業生産振興プラン素案が明らかにされました。この中で、食糧自給率の目標は平成24年度45%としております。このプランの実践によって、食糧自給率が飛躍的に向上することを期待したいと思いますが、今日、食に対する不信感が非常に高まっていると思います。農薬の残留、遺伝子組み換え作物、抗生物質による不安、表示の偽装など、このような状況から、食の安全・安心と食糧の自給率の向上が緊急の課題になっていると思います。そのためには、地産地消の推進であって、食育の推進ということが言われております。食育の手始めは学校給食を変えること、農家、農村と学校が手を結ぶこと。法律の改正によって、昨年度から栄養教諭を配置することができることになりました。日本の食卓がいかに荒廃してきたのかということのあらわれだと私は思っております。ところが、県内の配置はゼロということでございまして、そういう中で、学校給食に地場産品を使うことが全国的に非常に盛んになってきました。 本市の地場農産物利用状況、日によって違いがあるかと思いますが、先日の教育委員会からの資料によりますと、24から26%程度ということでございました。国の食育基本計画によれば、平成22年度、地場産品使用割合は30%以上ということになっているわけですが、達成に向けた本市の取り組みは、今後どのようになるのかお尋ねをしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 本市の学校給食におきましては、地産地消を基本に米や生鮮食品、かまぼこ、豆腐、コンニャク、果実などは、市場等においてできる限り地場産品を確保し活用することとしております。しかしながら、国が示す目標値30%以上を達成するためには、従来の手法のみでは困難な面もありますので、それに対応するための課題を整理するとともに、例えば福島県あるいは福島県学校給食会等々の機関と連携しながら、その取り組みについて検討してまいりたいと考えております。 ◆19番(古市三久君) 全国的にいろいろな取り組みをしておりますが、いわき市教育委員会の保健体育課の話を聞きますと、何もしないでこのままいた方がいいという態度なわけですね。私は、教育委員会はこういう問題について、食糧自給率とか地場産品の向上ということを考えるんであれば、積極的に農林水産部と話をして、いかにいわき市の農産物を生産していただくのか、どうしたら生産するような体制になっていくのか、ジャガイモは年間どれくらい使って、どのくらい作付すればできるのか、あるいはタマネギはどうなんだと、そういうことを具体的にやっていかなければならないと思うんです。 特にあと、パンですけれども、パン給食というのは私は変えていかなければならないと思いますが、小麦の輸入というのは93%輸入しているわけですね。これはポストハーベスト農薬ということで、虫が寄りつかない小麦粉のパンを食っているわけです。したがって、本当にいわき市で小麦を生産をしてパンをつくることが可能なのか可能でないのか。いわき市の平成17年度の統計資料を見ますと、小麦の作付農家は平成12年12月1日ですけれども、3戸で12アールなんです。12アールですから、おおむねどのくらいかわかると思うんですけれども、これがずっとそのまま減少してきた結果、こうなっていると思うんです。 したがって、こういうことをどういうふうに変えていくのか、変えていくべきなのか、こういうところについてはやっぱり積極的に教育委員会と農サイドで、振興プランにはそういうことが書いてありますが、しかし、具体的に、ジャガイモはどうするんだ、タマネギはどうするんだ、あるいは小麦はどうするんだ、大豆はどうするんだ、そういうことをやっぱり数値目標を決めながら、年次目標を決めながらやっていかなくちゃならないと思うんです。担い手新法の問題もありますが、そういうことをこれから調査・研究するといっても、これはいつまで研究するのかとなるわけです。例えば部長が今後調査・研究しますと。では1年後なのか3年後なのか、半年後なのかという問題があるわけです。だから、やっぱり議会としても、この調査・研究というのはルールをつくって、少なくとも半年後まで調査・研究をして、その結果を公表すると。これこれしかじか、こうなんだと、やっぱりそういう仕組みをつくっていかないと、これはだめだと思うんです。 ですから、ぜひ、この問題について、今直ちに結論は出ないと思うんですが、教育部長どうですか、農サイドと、いつまで、どのようにやっていくのかということについてお考えがあればお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) まず、教育委員会としての考えですけれども、学校給食におきましては、いわゆる顔が見える、話ができる生産者、地場産品を使用し、食に関する生きた教材として活用することが大事でありまして、子供がそうした食材を通じて、地域の自然とか文化あるいは産業等の理解を深め、さらには、生産に携わる方の苦労あるいは食への感謝を養っていくことが非常に大事だと思っております。そういうことから、関係機関あるいは部内、庁内の連携を図りながら、その達成に向けて努力してまいりたいと考えております。 また、国の食育推進基本計画を受けて、県の方では、今年度内に食育の推進計画を策定するということで動いておりますので、その辺との連携も図りながら、いわき市としての考え方をまとめていきたいと思います。 ◆19番(古市三久君) ぜひお願いしたいと思うんですが、地元で栽培をするということになれば地元にお金がおりるわけですね。ですから、そういう仕組みをつくることだと思うんです。だから、早急にそういう仕組みを、いつごろまで、どのようにやっていくのかという計画をつくっていただきたいと思います。 食糧自給率といいますか、地元産農産物のパーセンテージを上げるといいますか、そういう意味で米の粉のパンについても一考に値するのかどうかわかりませんけれども、そういうことも考えられると思うんですが、それについてはどのような御見解でしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 地元産の米を使った米粉のパンの導入についてでございますけれども、製造過程における手間というか人的負担、あるいは米のパンはかたくなるのが早いということもあり、それからコストが高いと、いろいろありますけれども、そういったものをクリアする方法も、やっぱり農業関係者等と連携を図りながら、検討していく必要があろうかと思っております。 ◆19番(古市三久君) 先日、教育委員会の方から、米の粉でつくったパンはかたくなるということでお話がございましたので、鳥取県の鳥取市、ここでは米の粉のパンを使った給食をやっているんです。18万食くらいやっているんですが、そこの話を聞いていただいたんですけれども、そういうかたくなるということはないんだと、添加物も入っていないと。したがって、非常にいい状態で提供できるというお話がございました。したがって、そういうことについてぜひ御検討いただいて、確かにコストは若干高くなるかもしれません。しかし、安全な食べ物、そういうことからすれば、コストについてはそれは十分に考えていく必要があるのではないかと思います。 次に、担い手の質問をいたしますが、担い手経営安定新法は、農家の切り捨て、選別化だということが言われております。政府は、法案の対象は農家の3割、農地の5割と答弁をしております。いわき市に当てはめると、農家と農地は現在と比べてどのように推移するということで考えているのかお尋ねしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 品目横断的経営安定対策は、施策の対象となる担い手を明確にした上で、担い手の経営の安定を図る対策に転換するものであります。本市におきましては、担い手への農地の利用集積が図られ、農家戸数は減少していくことが想定されますが、農地につきましては、集落営農の組織化を推進することにより、現状維持で推移していくものと考えております。 ◆19番(古市三久君) 現状維持で推移をするということだと思うんですが、非常に心配するというのは、米の価格がどんどん下がっているわけですね。本当に44ヘクタールあるいは20ヘクタールということの中で、所得が確保されるのか、そういう心配があると聞いております。いわき市の今度の新プランには5つの基本方針があるわけで、多様な担い手の育成の確保とあるわけですね。この経営新法は、多様な担い手の育成とは対立する案なんですね。私はそう思うんです。したがって、ぜひ、いわき市はこの多様な担い手の育成確保という方針を堅持をしていただいて、そういう中で、安心・安全な農産物をいっぱい地元で生産してもらうという体制をつくっていただきたいと思うんです。これは非常に難しい問題だと思うんです、ここまでくると。なかなか簡単にいかない話だと思うんですが、ぜひ、そういうことをすれば学校給食の地場産品も非常に多くなってくるということにつながってきますので、その辺についてぜひお願いをしたいと思います。 最後の質問は地産地消についてです。 地産地消のメリットは、生産者の所得向上とか消費者の顔の見える農産物の購入、新鮮さ、環境は低農薬、経済は直売所。地産地消ということで直売所の話も先にされました。JAでやっている谷川瀬の直売所は、毎年毎年売り上げが上がって、最近では1日30万円から40万円で、年間売り上げが1億円くらいだという話にもなっています。そういうことで、少しずつ安心・安全な食料、食べ物、そして新鮮な、顔の見える、そういうところに市民の方々が向いてきているのではないかと。さらに、生産する人も、そういうところに持っていくと所得がふえるということで、いろいろな意味での波及効果が出ていると私は思うんです。 そこで、地域内の現在の食糧自給率はどのくらいなのかお尋ねしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 平成16年度の食糧自給率を供給熱量ベースで申し上げますと、35%となっております。 ◆19番(古市三久君) 非常に低いわけで、45%に向けて新農業プランにはその経過が書かれておりますけれども、なかなか難しい問題だと思うんです。地産地消、これは具体的な取り組みが必要だと思うんですが、例えば地産地消の協力店の認証をやっている市町村もあるわけですね。そういう中で、ホテルとか旅館とかレストランとか、地産地消というのか野菜を食べさせるということをやっている市町村がたくさんあるわけですが、いわき市はその辺について、どのようにお考えなのかお尋ねしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 地産地消の面からは、現在、学校給食関係で三和地区で取り組んでおりますけれども、地元の生産者に対しまして農産物を作付していただきまして、それを学校給食の食材として提供していただいております。これは平成15年から3年間続いておりますけれども、今後もこのモデルを活用して、さらに拡大していくことで地産地消の基本的な1つのベースができると考えております。 また、先ほど議員御指摘のとおり農産物の直売所は非常に効果がありまして、現在31カ所あるわけでございますが、この直売所を有効に活用することで、地元産品を地元の消費者に提供できると考えております。また、地元のスーパーあるいはお店等、こういった皆さんにも、できるだけ地元の産品を使っていただくということが必要であろうかと思っておりますので、その辺についても今後、精力的に努力を重ねてまいりたいと考えております。        ------------------- △延会 ○議長(藁谷利男君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藁谷利男君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。 明日は午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて延会いたします。            午後4時27分 延会           ------------...